ロジカルシンキングを身につける「4つの方法」

「論理的に考える」というのは根拠を持って説明できるということ。

それは結局、「他者が理解できるように考える」ということだと言える。ひとりよがりではなく、他人が理解できるように考え、伝えることが、論理的に考えることの意義であるし、目的である。

では論理的に考えるためには、どのような訓練をすればいいか。拙著『考える訓練』から、ロジカルシンキングを身につける訓練法を紹介する。

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01 .
結論が明確か、不明確かを
明らかにする

ロジカルシンキングにおいてまず最初にやるべきは、何が問題かをはっきりさせること。そして、その次に重要なのは「結論」だ。この結論が最初からわかっている場合もあれば、わかっていない場合もある。

たとえば、コンサルタントは最初から結論が見えている。プレゼンの場合も、「この企画を採用してください」とか「この商品に決めてもらいたい」というように、結論が明確だ。一方、人生における課題、たとえば「転職したほうがいいかどうか」は結論がわからない。

だから、論理的に考えようとするとき、「結論が明確なのか、不明確なのか」をはっきりさせなければいけない。

結論が明確な場合は、相手に理解してもらうことが目的なので、「根拠づけ」が何より重要になる。結論がわからない場合は、基本はその課題に対して現状を分析し、原因を見つけ出しながら、さまざまな可能性を探って考えてみる。

02.
理由づけを考える習慣をつける

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現状分析をし、目的まで到達する過程が自分で納得できなければ、結論とはならない。他人に説明するときも、その過程に相手が納得し、使った物差しを理解してくれないと、説得はできないだろう。

重要なのは、何が問題なのかという課題や目的と、どういう結論を導き出したいのか、その根拠づけである。根拠づけは理由づけと言ってもいい。

自分で考えるときは、自分で納得できる根拠、相手に説明するときは、相手も納得できる根拠にもとづいて説明できるかどうかが「論理的に考える」ということだ。「論理的ではない」というのは、根拠づけをすっ飛ばして結論だけ言うから、なぜそうなったのか理由(根拠)がわからない状態を意味している。これではただのひとりよがりな理屈になってしまう。

「論理的に考える」ために一番鍛えなければならないのは、まさしく相手と共有できる根拠づけ、理由づけを考える習慣だろう。

03.
「根拠はなにか?」を
自問自答し続ける

法律家の世界では「結論」と「根拠」がもっとも重要になる。なぜなら、裁判では、有罪か無罪か、原告の勝ちか負けかのどちらかに結論を決めなければならないからだ。さらにその結論を納得してもらうためには、根拠づけの部分が重要になる。結論と根拠を示すことが、法律には不可欠の要素である。近代法は「証拠」に基づいて判断する。このプロセスは、誰もが納得できる形で一定の結論を導こうというプロセスそのものである。

たとえば、ナイフを握らなければ指紋はつかない。しかし、彼は握っていないのに、他の誰かが彼の指紋をそこにつけた可能性もあるかもしれない。こんなふうに別の根拠や因果の法則を持ち出して、もっともな結論に反対する結論で説得する。裁判の過程は論理的な説得の過程そのものなのである。

私は日常生活でも「その根拠って?」「結論は何?」と自問自答しているので、この思考がしみついている。こうすることで、考えるスピードや決断が速くなり、自身をもって行動できるようになった。

04.
論理的に伝えることは
相手に対する
優しさの表れだと知る

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「論理的に考える」ことにおいては、根拠づけが重要。それは、「相手と自分は異なる存在だ」という大前提があるから。自分と他人は違うから、伝わらなくて当たり前。むしろ説明しないと伝わらない。

結局、「論理的に考える」とは、他者を尊重すること。相手の立場を尊重したり、相手の立場に立ったりするから、相手にもわかるように論理的に考えて説明しようと思うのである。

論理的に自分の考えを伝えることは、決して相手を言い負かしたり自分の立場を押し付けたりすることではないということを覚えておかなければならない。

自分と相手はそもそも違う。だから、共通の物差しを探し、歩み寄る。論理的に考えることは、相手に対する優しさの表れでもある。

考える訓練
コンテンツ提供元:サンマーク出版

伊藤真/Makoto Ito

伊藤塾塾長。東京大学在学中に司法試験合格。その後、受験指導を始めたところ、たちまち人気講師となり、「伊藤真の司法試験塾(現、伊藤塾)」を開設する。「伊藤メソッド」と呼ばれる革新的な勉強法を導入し、司法試験短期合格者の輩出数全国トップクラスの実績を不動のものとする。「合格後を考える」という独自の指導理念が評判を呼び、「カリスマ塾長」としてその名を知られている。

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