敏腕・外資系コンサル流!インプットを極める「6つのヒント」

インプットの質と量を向上させ、ビジネスに生かすための秘策とは?いかにして「知的ストックを厚くするか」について紹介します。

01.
インプットに最適なのは
「英語」の情報

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コミュニケーションのツールとして英語を考えた場合、ほとんどの日本人にとって英語は必要ないでしょう。しかし一方で、英語をインプットのためのツールとして考えた場合、これを使わずにいるのはもったいないのです。

英語は世界でもっとも多く用いられている言語であり、英語で書かれたコンテンツが最も多いことを意味します。インターネットではこれが特に顕著です。米国の大学の多くはその講義の模様をインターネット上で公開し始めていますし、ウィキペディアについても日本語と英語では情報量が大きく異なる項目が少なくありません。

インターネットというメディアは「関心の市場」で作られたストックによって形成され、編集されているために、所属する言語圏によって得られる情報の量と質には大きな差が生まれてしまうのです。

インプットの量・質を向上させ、良質で偏りのない知的ストックを作りたいのであれば、積極的に英語でのインプットを心がけるべきです。

02.
「好きな本しか読まない」ことで
吸収率を最大化に

Bible on a wooden desk

知的ストックをふやすために、多くの人は他人から示された定番書籍のリストを丸呑みしますが、書籍リストの機械的な消化はおすすめしません。結局は自分の血肉にならないからです。何を隠そう、十年前にこれをやってしまったのが筆者でした。結果はもちろん大失敗。なぜならほとんど内容を覚えていないからです。

この時期に読んだ本のリストがいまも手元に残っているのですが、内容を思い出せないどころか、そもそも「読んだという記憶」そのものがあいまいな本もかなりあります。

ある本を読んで人が面白いと思えるかどうかは、読み手の文脈次第です。推薦図書のリストは、ある選者がある文脈において面白いと思った書籍なわけで、同じ文脈を共有していない人がそれを読んで面白いかどうかはわかりません。それよりも、自分が面白いと感じる本を読むほうがはるかに定着率が高く、効率的なのです。

03.
過去の類似事例を探り
洞察力を向上させる

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知的ストックが厚くなると洞察のスピードと精度が高まります。洞察力とはつまり、「目に見えない現象の背後で何が起きているのか?」「この後、どのようなことが起こり得るのか?」という二つの問いに対して答えを出す力ということです。このとき、過去の類似事例において何があったかを知っていれば、当然洞察力は高まります。

筆者はこんな経験があります。あるクライアント企業において、事業部のトップがコンプライアンス違反をおかし、大きな社会問題を引き起こしました。このとき、再発防止のための仕組みの構築を依頼された筆者は当初、さまざまな組織論に関するレポートや書籍を見直しましたが、フィーに見合うだけの知的付加価値を出せるとはとても思えませんでした。

そこで筆者は歴史の中で、人類が「権力者の暴走をいかにして防止したか」を振り返り、そこから再発防止のための施策を具体化するアプローチを採用しました。
知的ストックはこのように目の前の現実的な問題を考察する際の助けとなる洞察を与えてくれます。

04.
巷にあふれる
「思考停止ワード」に要注意

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思考停止ワードとは、議論や考察のプロセスにおいて、思考を深めることを止めてしまうような流行のキーワードを指しています。代表的なものに「グローバル化」や「イノベーション」といった用語が挙げられます。

「グローバル化の要請を受け、これからは外国人社員の採用比率を高めます」

これは典型的な例で、少し考えるとすぐに意味不明であるとわかります。グローバル化が進むとなぜ外国人社員が必要なのか?この間を埋めるためには少なくとも以下の論点に答えを出しながら議論を積み上げていく必要があります。
グローバル化とはそもそも何なのか?それは当社にどのような機会と脅威をもたらすか?その機会を捉え、あるいは脅威を回避するためにはどのような組織能力が必要なのか?その能力を獲得するためにはどのような人材が必要なのか?…

「思考停止ワード」が出てきたら、それが具体的に何を指し示しているのかを明確化させ、それぞれが異なるイメージを持ちながら同じ言葉を使っている状況を避けるようにしましょう。

05.
「世間の評価」と「自分の評価」で
いいインプットを見極める

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いいインプットを見極めるためには二つの軸があります。一つ目の軸は「世間の評価」で、これは「名著・定番」と「未定・新刊」に分かれます。もう一方の軸は「自分の評価」で、これは「面白い」と「つまらない」となります。

この枠組みを設定すると、世界中の書物をこの四つのどれかに分類できることになります。

「名著・定番」×「面白い」に属する本はまず読むべき本です。「名著・定番」はハズレである確率が低いことを意味し、それを面白いと感じるならば理想的なインプットになります。

「未定・新刊」×「面白い」は第二位に位置します。「未定・新刊」はバラつきが多いですが、この事象のインプットは差別化につながります。名著は多くの人が読むために、差別化という点で「未定・新刊」は読む価値があります。

「名著・定番」×「つまらない」が問題で、こういった本は多いのです。結論から言うと、この領域の本は読むだけ無駄だと思います。読むのに時間がかかるにも関わらず、定着しづらいために非効率だからです。

「未定・新刊」×「つまらない」本は無視して構いません。インプットは「名著・定番」×「面白い」と「未定・新刊」×「面白い」、この2つの領域までにしましょう。

06.
「自分の時間を防御する」ことは
組織の成長にもつながる

Connected in more ways than one

ストックの厚みはインプットの量に比例します。では、どうすればインプットの量を増やすことができるのでしょうか?

インプットを増やしたければインプットのための時間を増やすしかありません。いま、多くのビジネスパーソンにとって、時間は最も希少な資源です。時間は個人が自由に分配の意思決定をできる唯一の投資原資ですが、現代社会では意識的にこれを守ろうとしない限り、インプットのための時間は他の誰かに奪われ、その人の富に変換されてしまいます。

例えば、自分の時間をソーシャルメディアの閲覧に使えば、その時間は閲覧しているソーシャルメディアの富に変換され、その会社の企業価値が向上するし、自分の時間を良質なインプットのために使えば、その時間は自分の正味現在価値に変換されます。

「自分の所属する会社」とも競合関係にあります。時間はゼロサムで必ずトレードオフが発生するため、会社側が多くの時間を奪えば個人の時間は減少して富は会社側に移転しますし、個人が時間を奪えばその逆となります。ただし、個人の知的生産力の向上は、組織の生産性の向上にもつながるため、中・長期的には両者の利害を一致させることができます。

外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」
コンテンツ提供元:光文社

山口周/Syu Yamaguchi

電通、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー等を経て、世界最大級の人事・経営コンサルティング会社であるヘイグループに参画。「人事制度の設計」「リーダーの育成」「組織のデザイン」の3つをテーマに活動している。慶応義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科前期博士課程修了。 『グーグルに勝つ広告モデル』、『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』(ともに光文社新書)など多数の著書をもつ。

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