猫目線でわかりやすく解説!ブッダが教える、悩んだ時に思い出したい「5つのコト」

ぼくは「猫ブッダ」。ある日、飼い主さんが読んでいた仏教の始祖ブッダの本を読んでみました。すると、その言葉は実にシンプルで、猫にでも理解できたのです。ここでは、ぼくなりの解釈で、人生に役立つ言葉を紹介します。

少しでも気が楽になったと感じてくれたらうれしいニャ!

01.
心が苦しくなったら
「すべては移ろっていく」とつぶやく

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この世界に永遠に変わらないものは何一つなく、すべては移ろっていく。ブッダが気づかせてくれた最大の真理がこの「無常」です。ぼくたち猫もそれなりに無常を理解していますよ。飼い主さんのあったかい膝の上にずっといられるわけではなく、おいしい高級ネコ缶が毎日続くはずもニャイ…と。

この世は無常だからこそ、人はやさしく強く生きていけるんだニャ。季節が巡るように肉体も感情も変わっていくなら、いま抱えている悲しみや不幸にずっと悩まされるはずなどニャイのですから。心が苦しくて仕方がないとき、「すべては移ろっていく」とそっとつぶやいてみてはどうでしょう。猫のぼくでも少し気が楽になりますよ。

02.
心を清潔にできるのは
「自分」しかいない

人の心はもともと清いもの。大人になっても心が清浄か、汚れていくかは、自分の行い次第だとブッダは言っています。悪いことをしなければあなたは清い心でいられるし、悪いことをすれば心はどんどん汚れてしまいます。そして心が汚れたとき、他人があなたを清めることはできないし、あなたも清めることができません。

心をきれいに保つ責任は自分にあり、心のそうじをできるのはあなたしかいニャイのです。

03.
我を無くせば
「私という問題」で悩むこともない

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すべての事物は『無我』であると、智慧によって観るとき、人は苦しみから遠ざかる。これが清らかになる道であるーブッダ

「私」とか「自我」に当たる概念なんてぼくたち猫にはありません。おかげで煩悩もほぼゼロでいちいち悩まないし、いまがゴキゲンならそれで十分。

私ってなに?とか、アイデンティティや自分らしさとは?自我が壊れる?など、現代の人は「私という問題」で悩んでばかりいますものね。だからこそブッダは、「無我」という真理に目覚めて自己への執着も手放しなさいと言うんです。変わらない「我」など存在しないのだから、そんなものにとらわれる必要はニャイんですね。

04.
悪いことばを吐いたら
口の中がズタズタに

つい感情がイラ立って乱暴なことばを吐いたり、怒りにまかせてひどい悪口を並べてしまうことはありませんか?思う存分わめいたあなたは、たまったストレスが消えたり、怒りの溜飲を下げたりして、すっきりするかもしれませんね。でも、悪いことばはきっと自分に返ってくるんです。

あなたが発した悪いことばーーその声はすぐに消えますが、言いっ放しでは済みませんよ。ブッダのこんなことばもあります。
「人は生まれながらに、口の中に斧が生えている。愚かな人は悪口を言っては、その斧で自分自身を斬っている」。
悪いことばを吐きまくったら、口の中はズタズタです。もし人の悪口が言いたくなったら、このことばを思い出してくださいね。

05.
いやなことに反撃しようとしない

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人が苦悩から抜け出せずにいる原因の一つは、自分にいやなことが降りかかったとき、いやなことで反撃してやろうとするから。目には目をとばかり、怒りには怒り、悪意には悪意で対抗していたら、自分もその煩悩まみれの「いやなものグループ」から抜け出すことはできないんですね。

「煩悩」とは、人の心を苦しめ、心身を悩ませ煩わせる心の作用を全部ひっくるめたもの。怒り、恨み、嫉妬、色欲、我欲、執着などはみな煩悩の代表で、人が心おだやかに生きようとしても、それを邪魔するように心の内から次々にわいて出るのでなかなか厄介なわけです。

怒りには微笑みで対抗できるように心を磨くと、汚れは少しずつ落ちていき、きっと無明の闇も晴れていくはずですよ。

猫ブッダは悩まニャイ
コンテンツ提供元:ワニブックス

宮下真/Makoto Miyashita

文筆家・編集者。仏教関係や東洋思想(日本・中国の古典)を主な分野として執筆。著書に『ブッダがせんせい』『おしえてブッダせんせい こころのふしぎ』『空海 黄金の言葉』『親鸞 救いの言葉』『老子 上善の言葉』(いずれも永岡書店)など。猫好きで、『猫語の教科書』(監修・野澤延行、池田書店)ほか猫の本の編集・執筆も多数。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。