洋服に「安全ピン」を付けるイギリス人が増えている、本当の理由を知っていますか?

国民投票によるEU離脱が決まったイギリスでいま、洋服の胸元に安全ピンを付ける人たちが増えているといいます。

再投票を求めるアピール?ではありません。これは、ある一人の女性が、Twitterを通じて呼びかけた、イギリス国内の移民の安全を守るためのシンボルでした。

国内に暮らす移民たちへ
ともに団結しましょう!

「ちょっといい方法を思いついたんだけど、みんなジャケットやコートに安全ピンをつけるっていうのはどう?文字通りセーフティーなピン」

「イギリス国内にいるEU市民や移民たちが団結できるよう、飾りっ気のない普通の安全ピンをみんなでつけよう」

一連の投稿は、先の国民投票から3日後の2016年6月26日、アカウント名(@cheeahsさん)が自身のツイッターで呼びかけた文言です。彼女のアイデアは、瞬く間に拡散されていき、胸に安全ピンを身につける人が1週間も経たないうちに急増している、と「CNN」は報じました。

じつは、こう彼女が呼びかけた背景には、EU離脱をめぐる混迷した国民世論のなかで、くすぶり続けていた反移民感情が誹謗中傷というかたちになって表面化する、という国内事情があったのです。

国民投票後、
表面化したヘイトクライム

全国警察署長委員会の発表によると、国民投票後、イギリス国内で発生した人権差別などが絡むヘイトクライム(憎悪犯罪)件数が、前年同期に比べて約57%激増していることが判明したそうです。

こうした事件はイギリス各地で起きており、なかにはSNSで拡散されるものも。たとえば「Leave the EU. No more Polish Vermin(EUを離脱しよう。もうポーランドのウジ虫どもはいらない)」などとタイピングされたカードが、住宅の窓ガラスや、車のボンネットに貼られる、といったケースを「Inc.com」が報じています。

こうしたヘイトクライムが、国民投票によって表面化してきた裏には、EU離脱派の争点が経済面の問題から「移民政策」へ焦点を移していったことが、少なからず影響を与えたのではないか、という見方も。「EUにとどまる限り移民は減らせない」とするボリス・ジョンソン前ロンドン市長のメッセージしかり。

励まし、支えあう
静かな主張

国内に暮らす移民たちが弾圧を受けている。発起人の女性はこの事実に、今回の安全ピンをつけるアクションがいかに有効的であるかを「CNN」の取材に対し、以下のように答えています。なお、CNNによれば女性(アリソンさん)はもともとアメリカで暮らし、6年前にイリギスにやってきた移住者だそう。

「たとえばヒジャブ(ムスリム女性が被る布)をまとった女性がバスに乗車したとします。そのとき胸に安全ピンを付けた人の座席のとなりならば、安心して腰掛けることができる。なぜなら、その人は彼女に危害を加えたり、口論になるようなことはしない。そういうサインを身につけている訳ですから」

隣に座った人、横を歩く人、会話する人、胸元のシンボルが移民たちに大きな安心感を与え、彼らとともに自分たちもあることを示す。静かな主張だけど受動的であってはならない、とアリソンさんは強調しています。文字通り、自分が“安全”な存在であることをメッセージングするこのシンボルに、いま多くの人が同調しているのでしょう。

Licensed material used with permission by Keith Grimes, Dancing Psychiatrist
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