プリズナーたちの言葉は、まるで「神父」のようだった

見るからにイカついメンツ。何を隠そう、彼らは米国メイン州の刑務所に収容されている受刑者たちなのだ。

彼らのポートレートを撮り続けているのは、フォトグラファーTrent Bell。普段は商業建築物の分野で活躍する彼が受刑者を被写体にしているのには、ある理由が。それは、友人のひとりが懲役36年もの刑を宣告されたことだった。

“人生なんて簡単に変わってしまう” 友人に対する判決に悩まされたTrentは、物事の相反する意味に気づく。そして、受刑者のポートレートに、彼ら自身による「若い自分に送るメッセージ」を添えるプロジェクトをスタートさせたというワケだ。

『REFLECT』という名のプロジェクトは、ギャラリーでも展示されて、注目を集めている。多くの人々は、メッセージにポジティブな反応を示しているようだ。

受刑者による
骨太なメッセージ

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親愛なるPeterへ

君に話すことができてとても嬉しいよ。俺は55歳で、6年間もの刑務所に暮らしいるんだ。言わしてもらうけど、ここは暮らす場所じゃないぜ。(中略)目を大きく開き、注意を払って、正しいことをしよう。そうすれば、刑務所に行くことになんかならないから。

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若い頃の俺へ

こんにちは。俺は、年上で、君の未来さ。(中略)俺は20年も刑務所にいる。もし、俺のことを気にかけて、俺のアドバイスに耳を傾けてくれたら、こんな未来は避けられる。そして、君の人生において特別なものをクリエイトすることだってできるんだ。(中略)いつも笑顔で、怒りは沈めて、尊敬の念を持って人々に接しよう。

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Jamieへ

ずいぶん、歳をとったよ。そして、多くの間違いを犯してきた。刑務所、ドラッグ、盗み、嘘。俺を信用してくれた人には、ひどいことをしたよ。(中略)過去に犯した間違いからは、何かを学べるものさ。俺は、今、そう断言できるし、明日は「俺が犯したことはやるな」と自分自身に言い聞かせることもできるんだ。

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Willianへ

(中略)俺は、6ヶ月の刑期をもらって、それ以降は、仕事を探すのが厳しい状況になった。(中略)でも、いつだってマシな選択肢はあるし、お前はそれを見つけなければならない。俺は、人生のほとんどを刑務所で過ごしてきたけれど、お前の価値は決してこんなもんじゃないはずだ。

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もし、俺が自分に向けて手紙を書くなら、自分自身に対してこうはじめたい。「人生はいつも美しいとは限らない。時に君をノックダウンさせるものだ」と。でも、踏ん張れば、君を強くして君を賢くもするんだ。(中略)もし、物事がうまく運びそうなら、やり遂げろ。決して、諦めるなよ。

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Bubber Jackへ

俺は、君に、俺が見てきた未来を伝えるために、そして、君にもたらす運命について書くつもりだ。まず、伝えたいのは、君自身が変わらなければ、人生はタフなままだということ。君は、違法でも手っ取り早く金を稼ぐこと、トラックやバイク、女、ドラッグが好きだろう。(中略)Jack、まともな仕事につけよ。身の回りはクリーンにして、狂気の沙汰は避けるんだ。

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親愛なるBobへ

君が'64年に卒業した後、数ヶ月の間に、3つの仕事をする機会を失ってしまったね。(中略)酒とドラッグとオールナイトのパーティーは、家庭生活を地獄のように変えてしまうんだ。(中略)そんな選択肢には注意深くなることさ。

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親愛なるWesleyへ

君の人生を刑務所の中で過ごすことは、これっぽっちも楽しくなんかないさ。君は自由を失い、同時に、人々は君がどこにいるのかを忘れ去ってしまうのさ。とても短い間に孤独な世界になっちまうのさ。(中略)君は、君自身を信じなければならない。君は、なんだって望むことはできるんだから。決して、俺の歩んだ道は通るなよ。

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Brandonへ

ここに座ってこの手紙を書いていることは、心が痛むんだ。人生は、困難で、痛みや涙や心が打ち砕かれそうなものだらけだ。俺は、たくさんの過ちを犯してきた。(中略)いつも勇気を持つんだ。あえて、リスクをとることで、強くなれる。(中略)問題なんてひとつもないさ。いつも、自分自身を愛するように。 

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Kenへ

君が何をしたかをよく考えるんだ。魂に、キャリアに、未来に。すべて、破壊されてしまっているだろ。(中略)Ken、君は輝かしい未来を抹殺してしまったんだ。もう、目を覚ませよ。君を愛する人の声を聞くんだ。彼らから、知恵や知性を授かるんだ。彼らは、君を救いたい想いでいっぱいなのだから。

彼らが、自分自身に投げかける言葉からは、ポジティブなバイブスを感じることができる。刑務所に入っている立場から語られる言葉は、重く、深い。そして、限りなく前向きに生きていこうとする強い意志が感じられた。犯罪者になるかそうでないかは、本当にわずかな差でしかないのかもしれない。

最後になるが、自身のプライバシーやストーリーがシェアされることに対して、このプロジェクトに参加した受刑者たちの勇気と精神力の強さを讃えたい。

Licensed material used with permission by trentbellphotography
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