突然の息子の死。母の心の支えになったのは、一通の紙ナプキンだった。

私は今まで、この話をすることができませんでした。8月18日のこと、サウスウエスト航空の1076便に乗っていました。その時は、気分がよくなくて、周囲からも具合が悪そうに見えていたと思います。(中略)

 

一人のキャビンアテンダント(CA)が、「大丈夫ですか?」と声をかけてくれました。私は水を頼むと、若い男性が持ってきてくれたのですが、彼の名前を聞いておけば良かったと今では後悔しています。(中略)

 

声をかけてくれた彼に、息子を埋葬するため故郷に帰る途中であることを話しました。すると、お悔やみの言葉のあとに、ミネラルウォーター、氷の入ったグラス、ダイエットコーラを持ってきてくれたんです。だけど、手が震えて飲むことができず、隣に座っていた女性が手伝ってくれることに。(中略)

 

離陸後に飛行機を降りようとしたら、彼に呼び止められて、紙ナプキンを渡され、改めてお悔やみの言葉を伝えてくれました。お礼を言って彼の元を去り、少ししてからナプキンに書かれていたメッセージを読み始めたんです。ふと、気が付いた時には目から大粒の涙が…。

 

私は、祈りを捧げました。だって、彼が天使のように見えたのだから。どうか、この投稿文をシェアしてください。彼の目に止まって欲しい。見知らぬ女に、時間を割いてまで手紙を書いてくれたこと。息子を失ったばかりの私は、優しい言葉に救われたのです。心から感謝していることを伝えたい。

あなたの「やさしさ」が、
誰かの心を動かすこともある

この文章を綴ったTricia J. Belstraの愛する息子さんが自殺したのは、今年の8月12日のこと。名前も知らないCAの男性に、紙ナプキンを渡された直後はそれが自分の気持ちを温かくするものだとは思いもしなかったそう。

彼とは、その後会えていません。もしも、再会できたらハグをして、感謝を伝えたいと言っています。ほんの些細なことかもしれないけれど、Triciaにとっては“生きる支え”になるほど重要なことだったから。

彼女は、メッセージを読んだ人々にも伝えたいことがあると言います。

もしも、あなたの周りに落ち込んでいる人がいたら、迷わずにに話しかけて欲しい。あなたにとって小さなことでも、声をかけられた相手にとっては、かけがえのない一言になるかもしれないから。

最後に、Triciaの人生を大きく変えた“名前の知らない彼”からの紙ナプキンにびっしり書かれた手紙を読んでみてください。

今思い出しても辛いことですが、2004年に兄を失いました。ただ、あなたが母親として感じている心の痛みは、僕が理解できるものではないでしょう。

 

でも、悲しみにくれる母の姿をずっと見てきました。今でもそれは変わりません。未来へ続く命を誕生させることができるのが母親というもの。あなたの使命はまだ終わっていません。息子さんがこの世界に生まれたことは、死よりも大切なことだと思います。それは、これからも絶対に変わりません。

 

僕のお母さんは、かつて“心の痛み”を和らげようと、心配になるほど無茶をすることがありました。でも、どんなに無理をしても心のキズが完全になくなることはないと、今ではわかっています。あなたも痛みを和らげるために、無茶なことを追い求めてエネルギーを費やさないでください。その代わり、「喜び」を全力で探してください。

 

家族に会ったり、友人たちと交流したり、いろいろな旅に出ましょう。これは、あなたの人生だから、息子さんのためにも、苦難を乗り越えるべきです。どうか、自分を責め続けないでください。

 

たとえ、今はそう思えなくても、この世界は優しさに溢れているし、あなたのことを気にかけてくれる人だってたくさんいます。僕もそのひとり。あなたの様子が気になるし、気持ちをどうしても考えてしまうんです。もし、この出来事を乗り越えることができたなら、強い人間に生まれ変わったような気持ちになるでしょう。僕はいつでも、あなたのことを応援しています。

Licensed material used with permission by Tricia J. Belstra
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。