磨け!リスクを見極める力。意思決定「4つのパターン」

公私問わず、リスクを負っていかにスピードを重視した判断ができるかは、成功するかどうかの重要なポイントです。

そもそも意思決定において考えるべき基準は、「得られる果実が大きいか小さいか」と「駆け引き要素があるかないか(リスクが大きいか小さいか)」という2つの基準しかありません。ここでは、それぞれを掛けあわせて生まれる4つのパターン(4象限)ごとの適切な「意思決定ツール」を紹介します。

【第1象限】
果実は小さく、リスクも小さい

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ローリスク・ローリターンかつ自分の判断で決められることが多いので、時間をかけて判断する必要が最も少ないといえるのが第1象限の特徴。ここで使用する意思決定ツールは「トレードオフ」で、一方を得ようとすると他方を失う関係性のことをいいます。
例えばひとり暮らしの住宅選び。条件は多々ありますが、その中でも優先順位となるポイントは大きく分けて「エリア」と「部屋」の2つに絞られるはずです。便利な都心に住むか、多少不便でも間取りの広い部屋に住むかがトレードオフの関係にあります。

部屋選びだと当たり前の比較のように思えますが、これがビジネスにおける意思決定や他の意思決定になると、実際にできなくなるのが人間のサガ。その最大の要因は、何と何がトレードオフの関係になっているかを認識できていないことにあります。だからこそ、何と何がトレードオフの関係にあるのかを明確にすれば、よりはっきりとした選択を素早くできるようになります。

【第2象限】
果実は大きく、リスクは小さい

適切な選択ができれば、他の人とは違う大きな果実を得ることができます。使用する意思決定ツールは「ツリー化」。これは、ある事象や問題になることを軸に、そこから掘り下げて枝のようにどんどん展開していく意思決定ツールです。
たとえば、入社8年目で現状の仕事を続けるべきか、転職すべきかで悩んでいるケース。転職を考える理由はいろいろですが、ここでは一般的な3つを例に挙げ、それぞれに対するアクションの選択肢まとめました(上位ボックス)。

①現状の仕事への不満がある→「転職せず、別の部署へ異動」「仕事の不満を解消し、転職しない」②現状の会社への不満がある「同業他社へ転職」「会社の将来性への不安を解消し、転職しない」③将来独立したい→「目指す分野に近い業界に転職する」「経営を習得するために大学院に入学する」

これらに対するそれぞれのアクションの選択肢は以下です(下位ボックス)。

意思決定しなければならない問いに対して「上位ボックス」と「下位ボックス」に分類していくことで俯瞰して物事を見ることができます。優先順位も明確になり、必要な作業スピードと同時にリスクも浮き彫りに。スピードを持ってリスクを取ることで、思い切った選択ができ、得られる果実を大きくすることができるのです。

【第3象限】
果実は大きく、リスクも大きい

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限りなく選択肢があり、不特定多数の相手と大きな利益を取り合うため、意思決定のクオリティによって結果が大きく左右されます。適切な判断ができないと、より大きな損害を計上することに。使用する意思決定ツールは「絞り込み」と「ゲーム理論」です。

たとえば、忘年会で幹事に任された時、何をどういう手順で進めますか?会場の候補、料理、出し物、景品などの組み合わせは無制限にあり、それによって参加者の満足度と自分への評価が高くも低くもなるでしょう。
これはあくまでも一例ですが、重視するものを「一体感を体験できるものにする」と絞り込むとどうでしょう?会場はチェーンの居酒屋だと近くの人としか話ができないので除外できますよね。高級焼肉店であれば、話題も弾むため一体感は生まれるはず。しかし、予算を考えると難易度が高いのは明らかです。となると、難易度が低く一体感のあるものにさらに絞り込まれます。
こう考えると「カラオケのパーティールーム」や「食事は座席を決めないビュッフェ形式」といったキーワードへとつながるはずです。

【第4象限】
果実は小さく、リスクは大きい

果実は小さいにもかかわらず、自分だけでは決定できない意思決定ゾーンです。決断の難易度は高いですが、それだけの利益はもたらされません。
この場合は、いさぎよく他人に任せるか、自分に任せてもらいましょう。そうすることで相手の出方を気にする必要がなくなり、比較的判断の簡単な第1象限の意思決定になります。

「即判断」する人は、なぜ成功するのか?
コンテンツ提供元:サンマーク出版

小関尚紀/Naoki Koseki

サラリーマン作家。旅人。都内の企業に勤務しながら作家としても活動中。著書に『「即判断」する人は、なぜ成功するのか?』(サンマーク出版)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA 中経出版)、『新人マーケター乙女侍奮闘記』(東洋経済新報社)など。後者は「奇想天外なマーケティング授業」として韓国、台湾で翻訳されている。

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