なぜチベットでは「焼身抗議」が後を絶たないのか?心優しき遊牧民のリアルな姿

インド北部の町ダラムサラから、チベット人の「焼身抗議」をブログで発信し続けている一人の日本人がいる。建築家、NGO代表という二つの顔を持つ中原一博氏だ。彼は、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が暮らすこの町に30年間住み続け、故郷を失った数多くのチベット人を支援してきた。

改めて説明すると、「焼身抗議」とは中国の圧政に対して自らに火を放ち抵抗を示すもの。その数は2015年3月3日時点で141名とされており、今でも多くの命が失われているという。

映画『ルンタ』は、そうした「非暴力の闘い」に込められたチベット人の心を描く渾身のドキュメンタリー作品だ。

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監督は、2002年公開の『延安の娘』で文化大革命に翻弄された父娘の再会を描き、世界30カ国以上で称賛の声を浴びた池谷薫。

1989年にテレビドキュメンタリーで中原氏と出会った彼は、そこから四半世紀の準備を重ねて『ルンタ』を完成にこぎつけた。2005年公開の『蟻の兵隊』、2012年公開の『先祖になる』に続いて、本作が彼にとっての劇場公開4作品目となる。

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「ルンタ」とは、チベット語で「風の馬」の意。人々の願いを仏や神々のもとに届ける存在だと信じられている。本作は、そのルンタが導くチベット人の心を探る「旅」の記録だ。

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「旅」の中で出会うのは、決死の抗議活動を外国メディアの前で行なった青年僧、長期間収監されながらも仏教の教えを守り抜いた老人など不屈の精神を持つチベットの人たち。

そんな彼らが発する声の根底に流れるのは、「慈悲」や「利他」といったチベット固有の精神だ。世界各地で起きるテロ行為が我々を脅かしている今、暴力とは一線を画した闘いを続けているチベット人たち。本作は、彼らの優しくも強い姿を鮮やかに描き出している。

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映画『ルンタ』は7月18日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラム他全国で順次公開予定。「非暴力の闘い」に込められたチベット人たちの誇り高いメッセージに、あなたもぜひ耳を傾けてみては。

ちなみに、映画の公開を記念したイベント「チベットWEEK」が旅カフェ GIFT 下北沢 HOMEにて開催予定。期間は7月4日(土)から12日(日)までの8日間で、5日(日)はチベット音楽の生演奏、12日は池谷監督と中原氏のトークショーが予定されている。期間中は蒸餃子「モモ」や揚げ菓子「カプセ」、「バター茶」といったチベット料理も堪能できるとのこと。このイベントで一足先にチベットを体感すれば、『ルンタ』をより一層楽しめるかもしれない。

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