全ての血液型を「O型RHマイナス」に変える技術が登場!?
もうドナーを待つ必要がなくなるかも?そんな可能性が感じられるニュースが、アメリカ科学振興協会が運営している科学誌「EurekAlert!」に掲載されました。
同誌によれば、A型やB型など全ての血液型をO型RHマイナスに変えることができる技術が開発されたのだとか!移植手術や輸血を待つ患者にとっては大きなニュースかもしれません。
輸血用の血液を
待たなくても良くなる?
血液型の違いは移植や輸血をする際とても重要な要素。適合するタイプでない限り拒絶反応が発生し、死に至ることも。しかし、O型RHマイナスの血液に関しては、どの血液型のドナーにも適合し、安全に輸血できる可能性があります。
アメリカ化学会が発表している米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society, JACS)に掲載された調査の内容によれば、バクテリアのDNAをつかって作成した酵素の突然変異体が、血液内の糖分を分断、限りなくO型RHマイナスに近い性質に変えることができるのだとか。
開発したのは、世界最大の民間さい帯血バンクCBR(Centre for Blood Research)内のブリティッシュコロンビア大学の科学者たち。コンセプト自体は決して新しくなく、これまでは酵素の量や糖分を除去する効率があまりよくなかったのだそう。
とはいえ、血液型の違いに反応する人間の免疫機能は非常に繊細。今回開発された技術も残念ながらいまだ100%ではないため、プロジェクトの進行が待たれる状態ではあるようです。
将来的には
献血がなくなる可能性も…。
一方で、iPS細胞などを利用し人口の輸血液を作成する試みもあります。科学誌「The Scientist」によれば、スコットランドのエディンバラ大学研究チームにより、2016年の臨床試験が実施される予定で、順調に行けば20年程で実用化されるのだそう。
もしも、人口血液が先に実用化されれば献血というシステム自体徐々に必要なくなるとも言われています。しかし、血液型を変えられる技術の登場もまたドナーを待つ患者にとっては大きな意味のあるニュースなのではないでしょうか。
Reference:EurekAlert!, The Scientist