深夜の書店が「犯行現場」に。乱歩ミステリ劇場、一夜限りの公演

閉店後の書店に足を踏み入れたことがある人は、そう多くないはずです。
薄暗い棚の奥、スタッフしか知らない倉庫の通路──。その「裏側」がまるごと、ミステリの犯行現場になる一夜が、2026年10月にやってきます。

乱歩が通った場所で、
乱歩の物語に「入る」

丸善ジュンク堂書店がジュンク堂書店創業50周年記念企画として発表したのは、ジュンク堂書店大阪本店を舞台にした観客参加型のミステリ演劇公演「洋館ミステリ劇場オールナイト公演『妖魔』」。主催は毎日新聞社です。

会場となる堂島アバンザは、かつて大阪毎日新聞社があった場所。江戸川乱歩がまだ「平井太郎」という本名で同社に勤めていた時代に通っていた土地でもあります。

つまり、乱歩ゆかりの地で、乱歩作品を、観客自身が歩き回りながら体験するという構造です。

「洋館ミステリ劇場」とは、昭和初期に建てられた本物の洋館やレトロビルを舞台に、観客が建物内の部屋を移動しながら物語を追い、最後に自分の手で犯人を推理する演劇形式のこと。

今回はその舞台を「書店」に移し、売場だけでなく、普段は立ち入れない商品倉庫や作業場までが物語の空間になります。

「本を買う場所」が
「本の中に入る場所」に変わる

注目したいのは、この公演が単なるイベント貸しではないということ。

書店という空間は、私たちにとって「棚から本を選んで買う場所」です。でもこの一夜だけ、その機能がまるごと書き換えられます。

棚の裏側は犯行現場に、倉庫は物語の舞台装置に。「本を読む」のではなく「本の世界に身体ごと入る」体験へと変わるわけです。

公演は全3部のオールナイト構成。第二部には深夜の書店で乱歩の短編『芋虫』の朗読を聴くプログラムや、「書店員体験」まで用意されています。

プログラムの合間には書籍の購入もできるというのが、書店ならではの粋な設計。物語に没入した直後に、その原作を手に取れる場所は、ここしかありません。

数字にも「謎」が
仕込まれている

面白いのは、公演の外側にまで仕掛けが及んでいること。

プレスリリースの末尾では「2026年10月9日という日付にはどんな意味があるのか」「各公演の参加人数にはどんな意味があるのか」と、読者に問いかけがなされています。

3部合計の定員は109名。日付も、人数も、偶然ではなさそうです。答えは明かされていませんが、チケットを手にした人だけが解ける謎なのかもしれません。

書店の存在意義が問い直されている時代に、「本を売る場所」を「物語を体験する場所」へと拡張してみせるこの試み。一夜限り、109人だけが知る書店の夜が、大阪・堂島で始まります。

©株式会社丸善ジュンク堂書店

トゥモローゲート株式会社presents ミッドナイトジュンクラブ特別編 洋館ミステリ劇場オールナイト公演『妖魔』

【日程】2026年10月9日(金)〜10月10日(土)
【会場】ジュンク堂書店大阪本店(堂島アバンザ内)
【構成】全3部オールナイト形式
・第一部:20:00集合/8,800円(税込)/定員36名
・第二部:24:30集合/10,000円(税込)/定員37名
・第三部:31:00集合/7,800円(税込)/定員36名
・通し券:25,000円(税込・公演特製Tシャツ付き)
【チケット】2026年8月30日(日)10:00より先着販売/tiget公演ページ
【主催】毎日新聞社
【共催】丸善ジュンク堂書店、G-フォレスタ

Top image: © iStock.com / mustafahacalaki
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