【必読】「デジタル遺言書」の作り方
新型コロナの流行によって加速した、「OMO(Online Merges with Offline/オンラインとオフラインの融合)」という生活スタイル。
多くの人がリアルな日々を記録しているSNSの写真や文章、電子メールなどの「デジタル遺産」は、ユーザーが亡くなったあともインターネットの世界で生き続ける。
「モナッシュ大学」でデジタル文化を研究するEmily van der Nagel博士によると、自分のオンラインアカウントやコンテンツを死後どのように管理するか、時間をかけて計画すべきだという。
個人情報の盗難や悪用、家族・友人への無神経な通知など、亡き後のトラブルを避けるために、今できることを2つご紹介。
1つ目は、お気に入りの写真や動画、ブログ記事などの、残しておきたいデジタルコンテンツを定期的にバックアップしておくことだ。
Twitter、Facebook、YouTubeなどの多くのプラットフォームで用意されている、一括ダウンロード機能を使えば、膨大なコンテンツでも手軽に保存できる。
そして2つ目は、デジタル版の遺言書を作ること。
アカウントのログインIDやパスワードなどをまとめて記載し、プライバシー保護措置(ハードドライブ、パスワードで保護されたクラウドドライブなど)をとったうえで、信頼している人がアクセスできるようにしておくことを、博士は勧めている。
文書をそのまま渡すことに抵抗がある人には、Facebookが提供する「追悼アカウント管理人」機能もおすすめだ。
設定画面からいつでも家族や友人を追加できるこの機能では、Facebookアカウントへのログインこそできないものの、亡くなったあとのアカウントを追悼仕様に変えたり、削除依頼を出してもらうことができる。
プライバシー保護の観点から、法的に遺すことが難しいとされる、デジタル遺産。
デジタル遺言書には、大切な思い出の記録はもちろんのこと、ささやかなメッセージを添えておくのも、見送ってくれた人たちの支えになりそうだ。
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