なんてことない「ホテルのスリッパ」に、“持ち帰りたくなる”ヒミツが詰まっている
そういえば、ホテルのスリッパってほとんどが使い捨てじゃない?
長く使うことが想定されていないとはいえ、たった一度履いたらごみ箱にポイッなんて、ちょっともったいないかも……
そんなサステナ発想が、実はヨーロッパを中心としてすでに浮上していたらしい。
よりクリエイティブな方法を模索しながら、捨てられていくスリッパに新たな地位を与えようとする動きが。デザインや使い心地にこだわった、一生使いたいスリッパが次々と生み出されているのだ。
「もったいない」から生まれた
一生モノの高級スリッパ
使い道が限られていて捨ててしまうなら、「もったいないと思わせればいい」──そんな魂胆が窺える、ハイクオリティなスリッパが相次いで登場し話題になっている。
これまでとは一味違う贅沢品を考案した、3つのホテルをご紹介。
1. Claridge's
ロゴ入りのスリッパをあえて写り込ませるのは、ロンドンの5つ星ホテル「Claridge's」。昨年頃からInstagramにたびたび登場し、贅沢なホテルステイの時間をより一層引き立てている。
ブルーのテーブルウェアとも相性抜群で、一緒に撮ればインスタ映えすること間違いなし。「ついつい持ち帰りたくなる!」も狙ったワンランク上のスリッパだ。
さらにClaridge'sでは、通常のスリッパとは別に、高級紳士服で知られるストリート「サヴィル・ロウ」仕込みのオリジナルスリッパも発売。
ローファーのような形が特徴的で洗練されたこの商品、なんと革靴界の新生児と名高い「Gaziano&Girling」が手掛けているのだそう。
ベルベット素材にClaridge'sの文様があしらわれたデザインにうっとり……
02. The Dorchester
ロンドンの中心に聳える一流ホテル「The Dorchester」からは、おしゃれなシューズかと見間違えるほど装飾的で華やかなスリッパが登場。
シルクのリボンが付いた華やかなタイプと、白ラインの入ったベルベット素材のシックなタイプの2種類を展開。
「Sleepwear as daywear(寝間着を日常着に)」をコンセプトに、ファッションアイテムとしてのスリッパが提案された。
イタリアの靴メーカー「Edhèn Milano」が誇り高きクラフトマンシップを以て手掛けたこのデザインは、ホテルの内装からインスパイアを受けたものだそう。
ホテルに宿泊すれば、部屋ではこのスリッパがお出迎えしてくれる。どうせならその特別感、味わってみたいかも。
03. Hôtel de Crillon
所変わって、フランスはパリ。
高級ショッピング街に並ぶ「Hôtel de Crillon」は、コンコルド広場を一望できる五つ星ホテルだ。自分自身へ、また大切な人へのプレゼントとして、この特別なスリッパを発売している。
ミッドナイトブルーのベルベット素材にゴールドの刺繍が入ったエレガントなシューズタイプ。室内でゆっくり過ごす時間にはもちろん、そのまま外に履いて行くこともできるように作られているのだそう。
ここまでくると、もはや靴なのかスリッパなのか分からなくなってくる。
というか、区別することを諦めさせるほど、ホテルのスリッパは可能性を広げ、“エレガンスの象徴”となりつつあるのかもしれない。
かつて、あのジャスティン・ビーバーがホテルのスリッパで街を歩いたと話題になったことがある。あれ、ちょっぴり時代を先取りしすぎたニュースタンダードだったのかな……?
これからは、ホテルのスリッパを履いたまま街中を歩き回る、なんて光景が当たり前になるかも。