45年間、一度もアジアで開かれなかった「足技の世界大会」がやって来る

プロフットバッグプレイヤー・石田太志氏の発表によると、2026年8月、茨城県つくば市で「第45回 IFPA World Footbag Championships 2026」が開催されます。日本初、そしてアジア初。45回の歴史で一度もアジアに来なかったという事実に、まず驚かされます。

ハッキーサックが世界選手権になるまで

フットバッグと聞いてピンとこなくても、「Hacky Sack(ハッキーサック)」と言えば思い出す人は少なくないかもしれません。小さなお手玉のようなボールを足で蹴り上げて遊ぶ、あれです。公園やキャンプ場で友人と輪になって蹴った記憶がある方もいるのではないでしょうか。

ところが、競技としてのフットバッグはまったく別の顔を持っています。技の連続性や創造性を審査基準に競い合う、いわば「足で行うフリースタイルの表現スポーツ」。1980年代から世界選手権が続いており、今回で第45回を数えます。スケートボードやブレイキンがオリンピック種目に加わった流れを思えば、身体ひとつと小さなボールで魅せるこの競技が、次にスポットライトを浴びるストリートカルチャーになっても不思議ではありません。

近年はアメリカの若い世代を中心にフットバッグへの関心が再燃しているとも言われています。SNS上で超絶技巧の動画が拡散される光景は、かつて公園で蹴っていた「遊び」のイメージとはかけ離れたもの。身近な記憶と世界レベルの技術のあいだにある落差こそが、この競技の面白さを物語っているように思えます。

王者が「観る場」をつくる側に回った

今回の大会で実行委員長を務めるのは、フットバッグ世界大会で複数回の優勝経験を持つ石田太志氏。選手として世界の頂点に立った人物が、今度は「観る場」をつくる側に回ったという構図が印象的です。

石田氏は「小さなボールひとつで、ここまで人を驚かせ、つなげ、夢中にさせることができる。その瞬間をつくばの会場で一緒に体感していただけたら嬉しいです」とコメントしています。さらに「この日本初・アジア初開催の世界大会を、フットバッグを次の世代へつなぐきっかけにしていきます」とも。

大会の資金調達にはクラウドファンディング(CAMPFIRE)が活用されており、開始からわずか24時間で第一目標の30万円を突破。その後も支援は伸び続け、80万円の第3目標も達成済みとのこと。制度的な後ろ盾が潤沢とは言えないマイナースポーツにおいて、選手自身がクラファンで資金を集め、自治体の後援を取り付け、世界大会を招致する——この泥臭さと情熱の同居に、競技の魅力とはまた別の「応援したくなる力」を感じます。

8月15日、つくばで足技の世界が開く

©FOOTBAG MANIA

フットバッグという競技を、この記事で初めて知った方もいるかもしれません。でも考えてみれば、スケートボードだってブレイキンだって、多くの人にとっては「オリンピックで初めてちゃんと観た」という入り口だったはず。

8月15日、つくばカピオホールで行われる決勝には、世界各国からトッププレイヤーが集まります。45年間アジアに来なかった大会が、ようやくこちら側にやってくる。小さなボールひとつが描く軌道の向こうに、知らなかったスポーツの奥行きが広がっているかもしれません。

第45回 IFPA World Footbag Championships 2026

【開催期間】2026年8月10日(月)〜8月15日(土)※8月11日(火)は休養日
【決勝】2026年8月15日(土)
【決勝会場】つくばカピオホール(茨城県つくば市)
【後援】つくば市
【公式サイト】https://www.footbag.jp/FootbagWorlds2026

Top image: © FOOTBAG MANIA
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