【世界300部限定】北斎の「冨嶽三十六景」に、スペースインベーダー襲来!?
葛飾北斎が描いた群衆は、螺旋状の建物の上から遠くの富士山を眺めていました。約200年後、その視線の先にいるのは——空一面に広がるインベーダーの編隊です。
「見上げる先」を変えただけで、
江戸がゲームセンターになる


株式会社トーキョー・ダブ・エージェント(TDA)が2026年9月4日に全世界同時発売したのは、タイトーのアーケードゲーム『スペースインベーダー』を題材にした浮世絵木版画『富嶽宇宙人襲来之図』。
ベースになっているのは、北斎の「冨嶽三十六景」シリーズの一枚「五百らかん寺さざゐどう」(1830年頃)です。江戸・深川にあった五百羅漢寺の栄螺堂(さざえどう)という三層の螺旋建築から、人々が遠くの富士山を眺めている——そんな構図の作品です。
本作が面白いのは、この構図をほぼそのまま借りていること。変えたのは「視線の宛先」だけ。富士山があった空にインベーダーの編隊が降臨することで、のんびりした物見遊山の風景が、一瞬で「迎撃前夜」に反転します。
参詣地がゲームセンターに、観光がバトルに読み替えられる。構図を壊さず、意味だけをひっくり返す手つきは、浮世絵×人気キャラクターのコラボが増えた今だからこそ際立ちます。
8ビットのドットが
「粒」になる逆転

もうひとつ注目したいのは、制作に「岩絵具」を導入した点です。岩絵具とは、鉱物などを細かく砕いてつくる日本画用の顔料のこと。粒子そのものが画面に残るため、奥行きのある色彩と独特のざらつきが生まれます。
スペースインベーダーのキャラクターは、8ビット(ごく少ない情報量)のピクセルアート——つまりデジタルの最小単位で描かれた記号です。それが岩絵具の粒子という「手仕事の最小単位」に置き換わる。
画面上では均質なドットの集合だったものが、和紙の繊維の上で一粒ずつ表情の違う顔料になる。デジタルとアナログの対比ではなく、「均質さ」が「一点もの」に変換される体験と言ったほうが正確かもしれません。
「十数人」が支える、
100年後への設計

和紙は人間国宝・九代目岩野市兵衛氏による「越前生漉奉書」。楮(こうぞ)を原料とし、数百回の摺りの圧力に耐えるこの紙は、100年後、200年後にも残ることを想定して選ばれたといいます。
TDAによれば、江戸時代から続く浮世絵の伝統技術を継承する職人は、日本全体で十数人規模にまで縮小しているとのこと。版木は摺りの過程で欠けや摩耗が生じるため、増刷はできません。
1978年に世界を熱狂させたゲームと、200年前の構図と、いま十数人しかいない職人の手。この3つが重なった一枚は、「コラボグッズ」という言葉では収まりきらない時間のスケールを持っています。
私たちがスマホの画面で見ているインベーダーのドットは、どこまでいっても均質なコピーです。でもこの木版画の上では、同じドットが二度と同じにならない粒として存在している。そのことに、少しだけ立ち止まりたくなります。
スペースインベーダー浮世絵木版画『富嶽宇宙人襲来之図』
【価格】65,000円+税・送料
【限定数】全世界300セット(専用額・証明書・オリジナルインベーダー竹団扇付き)
【購入】AKIHABARA PREMIUM COLLECTION
【実物展示】EXBAR TOKYO plus AKIHABARA(東京・秋葉原)/タイトーステーション キャナルシティ博多店(福岡)にて2026年8月31日より展示中






