35歳のチェックリスト7つ「あなたの人生、このままでいいの?」
仕事、プライベート、人間関係など、30代は人生における大きな決断をすることが多い年代です。中でも35歳は人生のターニングポイントであり、人生戦略を見直すべきタイミング。
ここでは、自分の資産価値を再確認するための“人生の棚卸し”に必要な7つのチェックリストを紹介します。
01.
仲良しグループと
つるむのがそんなに大切?
友達付き合いを考え直す
同年代の似たような境遇の仲間と過ごすのは居心地が良いもの。しかし、30代半ばになってもまだ「友だちと群れるのが好き」というのは、精神的に大人になりきれていない、いわゆるモラトリアムをこじらせている状態と言えます。同種同族の友人といることで、「自分だけではない」という安堵感と自己肯定心が生まれ、危機意識が鈍磨してしまうのです。
いつまでも仲良しグループ最優先の意識でいることは、本当に目を向けるべき現実からの逃避行動だと認識しておくことが必要。自分の人生をきちんと見据えるようになれば、友人関係にも自然と適切な距離が生まれるものです。やるべきことに対して、行動に拍車をかける働きをもたらしてくれる関係こそ、35歳の大人が持つべき良いつながりと言えるでしょう。
02.
過去の失敗は
キレイさっぱり精算
現実と向き合い、自分にとって不快に感じられることでも順応しようと努力することによって、人は成長し、より大きな充足感を得られるようになります。コンプレックスがまったくないという人はいないと思いますが、過去の苦い経験やつらい思い出が今の自分の糧になっているはずだと肯定的に考えて、「もう引きずらない」と心にケリをつけることが大切です。今やるべきことにベストを尽くせていない人ほど、過去の栄光を引き合いに出したがりますが、そんな賞味期限切れの要素はきっぱり整理して、こだわりを一度清算してください。
過ぎた日の勲章を自分の価値観の上位に置いたり、かつての失敗を引きずって劣等感を抱くのではなく、現在の自分の価値を見つめ、“今の自分”で勝負していきましょう。
03.
SNSの利用はほどほどに
現実生活の充実を優先すべき
TwitterやFacebookなどのSNSを活発に利用している人の中には、「つながっていないと不安だ」とか、「存在感を示すために発信せずにはいられない」という感覚から抜け出せない人がいるようです。今までにないコミュニケーションや自己アピールが可能になったことで、注目されたり、認められたりする快感を覚え、自意識が肥大化してコントロールできなくなっているのです。
ネット社会もひとつのコミュニケーション空間ではありますが、現実の生活以上に優先度が高くなるべきものではないはずです。あくまでも現実の充実度を優先させ、それに支障を来たさない程度でつながりを持つというのが30代のあるべき態度。そのためには、思慮分別を持ち、自意識を上手にコントロールすることが求められます。
04.
40代を迎える前に
歳相応のステージを踏む
いくつになっても若々しく、エネルギッシュに生きていることはとても素晴らしいことです。けれども、若さに幻想を抱きすぎて、きちんと歳を取れなくなってしまっては元も子もありません。
「若いこと」と「若く見えること」は別物です。自分はまだ若いと思い込んで、歳相応になることを棚上げしていてはいけません。いくら人生百年時代になりつつあるとはいえ、一人前の大人としての義務や責任を猶予されたまま40代を迎えるのはいかがなものか。青春を引き延ばすにも限度があります。若さに執着する考えから一回離れて、歳相応の落ち着きや貫禄、成熟といったものを意識して歳を重ね、自分のスタイルを見つけることが重要です。歳相応のステージを歩んでいこう、そういう意識で30代を過ごすことが大切なのです。
05.
夢見る時期はもう過ぎた…
現実に即したギア・チェンジを
自分の道を早い段階で的確に見定め、いち早く人生の目標にたどりつく人もいれば、迷走する人もいるでしょう。なにも最速最短でわが道を見つけられることが偉いわけではないですし、それが人生における成功とも言えません。途中で立ち止まったり迷ったりしてもいいと思います。
ただ、勘違いをしたまま幻想を抱え込んでいては駄目で、どこかで自分をきっちり見据え、現実に即して軌道修正やギア・チェンジをしていく必要があります。30代は、もう夢見る時期を過ぎ、幻想に生きていていい時期ではありません。今の自分と将来像をつないでいかなければなりません。それに気づき、ぐっと舵を切れば、いくらでも挽回することができます。将来というのは、今行動していることの延長線上にしかありません。
06.
ストレスの「発生源」を知る
生きていく上で、ストレスは否が応でも溜まってきます。30代になれば、人それぞれいろんなストレスの解消法を持っているはずです。しかし、そのストレスの「発生源」について考えたことがあるでしょうか。自分にとって、本当に大きなストレス材料となっているのはどんなことなのか。長いスパンで見たときに、考えられるメリットとデメリットを挙げてみて、自分が本当に耐えがたいと思うことは何なのかを見極める作業をしてみましょう。それを改めて考え抜いておくと、結果的に「自分にとっての本当の利益とは何か」が見えてきます。
他人から見ればどんなにつらく過酷に思えることでも、その人にとってはストレスを超えるだけの利益や幸福が得られるケースもあるのです。
07.
しがみついたって仕方ない
「明らめる」ことも大事
20代はまだ自意識がうごめいていて、「ここではないどこか」に自分を満足させてくれる場所があるような気持ちを抱きがちです。しかし、それは幻想であって、35歳くらいになると「自分が今いる場所で、今やれることをやる」ことでしか、突き抜けることはできないとわかってきます。良い意味であきらめがついてくるのです。
「あきらめる」にはギブアップという意味だけでなく、仏教用語で明らかに見極める「明らめる」という意味もあります。思い通りにならいことがあっても、それはそういうものなのだと「明らめる」姿勢で受け入れることができるようになれば、自然な物事の流れに逆らうことがなくなり、今までよりも楽に、たくさんの物事をこなしていくことができるようになります。
『35歳のチェックリスト』
コンテンツ提供元:光文社
明治大学文学部教授。33歳までは安定収入がない苦労続きの人生を送っていた。現在は、大学や企業での講義のほか、執筆、テレビ番組へのコメンテーター出演など、多忙な毎日を送る。著書は『座右のニーチェ』(光文社新書)、毎日出版文化賞特別賞を受賞したベストセラー『声に出して読みたい日本語』(草思社)など多数。