くじけそうになった時、心を奮い立たせてくれる「偉人の名言10選」

努力を積み重ねた先に、成功があります。逆を言えば、努力なしに成功はつかめません。でも、わかってはいても途中で簡単なほうへ逃げたり、投げ出したりする人が多いのは、「努力をする」のは大変な労力を使うことだから。

ここでは木村進さんの著書『日本人なら知っておきたい名言100』から、日本の偉人が残した「努力」にまつわる言葉をまとめました。くじけそうになったとき、きっと心を奮い立たせてくれることでしょう。

01.

人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さねばならぬ。

(芥川龍之介/作家)

「偉人の名言10選」海岸沿い

人は大病をしたり、大変な危機を迎えたりしたとき、平凡だった日常がなんて幸せだったんだろうとわかる。

私の母は透析患者だったが、大好きなとんこつラーメンを食べてはいけないと言われたとき、本当に悲しそうだった。別の男の患者さんは、「ああ、思い切ってたくさん出る立ちションベンがしたい」と言っていた。

日常の瑣事(さじ)のありがたさや、愛すべきことに意識して感謝すると、毎日がいとおしくて貴重な日となる。

02.

努力だけで過去の事業が成功してきたか、というとそうではない。やはりこれに運がプラスされている。しかし、努力のないところには絶対に幸運は来ない。

(鮎川義介/日産コンツェルン創始者)

大きな仕事で成功した人の多くは幸運だったからという。確かに「幸運がないと、そこまで成功しなかったのでは」という事例があるのは間違いない。しかし、全くの運だけでうまくいくかというとそれは難しい。まず幸運がやってきたかどうかもわからないことがある。わかったとしてもそれを捕まえるノウハウがないのかもしれない。

岩崎弥太郎は、「機会は魚群と同じだ。はまったからといって網をつくろうとするのでは間に合わぬ」と言っているが、このように、幸運というのがやってきても気づかないし、気づいてもどうしようもないかもしれない。サミュエル・スマイルズの『自助論』では、よく努力し訓練された航海士でないとよい風は来ない(わからない)という。

また松下幸之助は体が弱く、学もなかった(小学校卒)から、衆知を集める努力ができた幸運を述べている。

こうしてみると幸運というのは、自ら呼び込むものでもあるようだ。

03.

一日一生。一日は貴い一生である。これを空費してはならない。

(内村鑑三/キリスト教指導者・思想家)

「偉人の名言10選」夕焼けの都会

一生は長いと思っているとあっという間に終わってしまう。気がついたらすぐに50歳、60歳と人生の晩年(収穫期)にさしかかる。20代や30代というのは、これから先、いくらでもあると思いがちであるが、本当に月日がたつのは早い。

だから論語にもあるように、40歳、50歳で、それなりの仕事をやった人であると名が通っていないと、もう大した人間にはならないだろうというのもわかるような気がする。

そのためにはどうしたらいいのか。

やはり内村鑑三が言うように、一日一生のつもりで生きるべきだろう。明日からやろう、明日に延ばそうではだめである。今日という一日で一生は終わるつもりでやるのだ。明日に延ばすにも、目途というものがある。そうしないと本当に何もできない一生となる恐れが強い。

今日一日しかないと思えば、かなりのことはできる。そんな貴重な一日の積み重ねが一生なのだ。

04.

過ちを改めるにあたっては、自ら誤ったと思いついたら、それでいい。そのことをすぐに思い捨てて、ただちに一歩踏み出していくことだ。過ちを悔しく思ってその過ちをとりつくろうと心配するのは、たとえば茶碗を割って、そのかけらを集めて合わせようとしているのと同じであり、まったく意味もないことである。

(西郷隆盛/武士・政治家)

過って茶碗を割ってしまったのに、それを取り繕ったって、元に戻ることはないのだ。それよりも、しっかりと謝って、次にはそのような過ちをしないように気をつければいい。
それに対して、ぐずぐず言う人があったらどうしようもない。誠意を見せている以上、そこからは相手の問題である。早く、次の生産的なことに力を入れるべきだ。中には、他人の過ちを許さない人がいるが、それまでの人である。

その過ちを犯した人がどうするかに注意する人、過ちを犯した人が人間として向上するきっかけになってほしいと思える人は、大きな人、向上する人である。こうしてみると、他人の過失への対し方も、一つの勉強である。

05.

物事をまっすぐにとらえ、素直、健全に行動すること。それが成功への最短距離になる。複雑なことほど単純に考え、単純なことほどじっくり考えよう。

(高原慶一朗/ユ二・チャーム創業者)

物事をうまくいかせるためには、その問題の本質がどこにあるのかを正しく見極めた上で、それを一生懸命に追求していくことにつきる。いくら頑張っても、そこが問題の本質とかけ離れたところであれば、大した成果が見られることはない。努力が全く違う方向に向いてしまってはもったいない。

ここにある高原慶一郎の言葉は、どのようにすればその問題の本質を見つけられるのか、そして、どのように対処したらいいかを見事に教えてくれる。

06.

努力だ。勉強だ。それが天才だ。だれよりも三倍、四倍、五倍勉強する者、それが天才だ。

(野口英世/医学者)

「偉人の名言10選」勉強

天才とは努力を続けられる人のことを言うのであるのは間違いない。天才と言われる人を見ると、例外なく朝から晩までそのことに没頭し、寝る時間も、食べる時間も惜しんで勉強、研究や練習に励んでいる。

さらに自分の打ち込んでいるものの進展のために工夫し続けるというのもポイントだ。単に勉強、努力するだけでなく、よりよくなるための工夫を考え、人に聞く。寝ること、食べることにも気を使い、工夫をするのである。

天才はそうした努力、工夫をすることを楽しんでやっている。楽しくなければ決してやれないことだ。キーワードは勉強、努力、そして工夫を楽しむことである。

07.

よいアイデアの生まれるのは儲からなくてなんとかしようと苦しんでいるときである。だから私は、儲かることをあまり望んでいない。

(早川徳次/シャープ創業者)

早川徳次のこの予言が最近のシャープで現実となってしまった。液晶パネルが時代に受けて調子に乗っていたら、他社の追随と円高でいつの間にか赤字に転落し、台湾や韓国の企業に買収されそうになった。

儲け過ぎるとこうしたワナが待っている。だからトップやリーダーはあまり儲け至上主義になるよりも、この先、顧客が望んでいるものは何か、社会に役立つものは何かを考えよと指導していくくらいでなければ、どこに落とし穴が待ち構えているかわからない。

08.

イヤならやめろ!ただ本当にイヤだと思うほどやってみたか?

(堀場雅夫/堀場製作所創業者)

「偉人の名言10選」屋上

長年ベンチャーの星のように尊敬されている堀場雅夫氏の信条の一つは、「面白いと思ってやった仕事はほとんど成功している」というものである。

だから、「面白い仕事をするか、面白く仕事をするか。その二つしか成功の道はない」ことになり、当然「イヤならやめろ!」ということになる。ただし面白いと思えるかどうかは、そう簡単なものではないことも確かで、何も真剣にやらないうちから、面白くないからやめるということでは、面白いものは見つからないことが多い。

逆に、最初は面白いかどうかわからなくても、とにかく与えられた仕事に真剣に打ち込んでいるうちに面白くなる、ということは多いようだ。真剣にやってやはり違うと思えば、別の仕事に挑戦しよう。

09.

結局、人は一生涯、努力を続けること、しかも楽しく努力することこそ、すなわち人生であると、徹底的に悟らなければならない。

(本多静六/林学博士)

本多静六は日々の積み重ねが大きなものになることを自分で証明した。東大教授として林業の権威となっていくが、それとともに、売れる原稿(つまり商業出版にしてもらえる原稿)を、一日最低2枚(800字)以上書きつづけた。こうして生涯300冊以上の本を書いている。

今でも100冊の本を出版する人は多くない。年に5冊として20年もかかる。ましてや300冊となると60年である。

また、本多は収入の4分の1を貯金するという方法で億万長者になり、有名となった。株式投資もコツコツとやって大金持ちとなったのである。本多がすごいのは、これを自分で使うのではなく寄付をして、再び一から貯金をして大金持ちになったところ。

仕事も蓄財も毎日コツコツ努力すれば、これだけのものになると本多の一生は教えてくれる。

10.

私の選んだこの生き方こそが私を生かしてくれる道ではないか。あれこれ迷わず、この選んだ人生をしっかりと励み、前進していこうではないか

(武者小路実篤/作家)

「偉人の名言10選」ランニング

自分の前にいろいろな道があった。そこで、自分で選んで決めたのが、今歩いている人生であるはずだ。あれこれと悩み迷うことはあるだろう。しかし、自分が正しいと思って決めた生き方であるし、進路である。とことん進んでいこうではないか。そこで壁にぶつかったら、喜んで乗り越えてみせよう。もちろん回り道が必要なときには、それもいい。しかし、それも自分が決めてやるもんだ。だから後悔せずにひたすら前へ進むのである。

どこかに必ず突破口はある。それを調べあげて、苦心して突き抜けるのは楽しいことではないか。

わが人生、人がいろいろ言ってもいいじゃないか。言わせておけ。私の道は結局、私にしかわからない。私にしか責任もとれない。だから私が一番楽しいのだ。

『日本人なら知っておきたい名言100』(著者:木村進)

芥川龍之介や山本耀司、安藤百福など、世界に誇る日本人が残した名言を100個掲載。彼らが見出した「生きる知恵」は、何かに迷ったとき、行き詰ったとき、自分を奮起させたいとき・・・・・・きっと役立つはずです!

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。