社会人経験は関係ナシ。まわりと差がつく「仕事の教訓」10選
社会人経験が長ければドッシリ構えて対処できるような悩みも、新入社員となれば初めての経験ばかりで、逃げ出したくなることも多々あるでしょう。
ここでは、経営コンサルタント木村進さんの著書『頭がよくなる名言100』より、ぜひ知っておいて欲しい「仕事の教訓」を紹介します。
01.
あなたの中にある才能と、世の中が必要としているニーズが交わるところに、転職がある。
アリストテレス/古代ギリシャの哲学者
どんな人にでも何かしらの才能がある。だが、それを仕事にまで生かせる人は少ないようだ。理由は、一見「自分の才能を生かせる仕事なんてない」ように見えるから。そして「世の中そんなものさ」と自分に言い聞かせ、まずは食べるための職に就き、それを漠然とこなすことになる。
それだって別に悪いことだとは思わない。どんな仕事にだって意義はあって、その価値に差があるわけではない。ただ、自分をもっと生かすことはできるはずである。
同じ仕事をするにしても、自分が向いている部分を知り、それを伸ばし、今の仕事に生かすことで、さらにその仕事での実力は伸びる。さらにその才能が大きく注目され、別のチャンスが出てくることもある。一番いけないのは、「どうせそんなものだ」と嘆き続けることだ。天職にたどりつくチャンスはまだまだあるのに、これではつまらない。
02.
失敗することによって、真実の全体がわかるようになる。
ジークムント・フロイト/オーストリアの精神分析学者
例えば、自分が何をしたいのか、何をすべきなのかがわかるためには、どうすればいいのだろうか。人はいろいろな知識を、親、学校の先生、本などから仕入れる。そのなかから自分に向いていそうなものを選んでやってみることになる。それで、生涯を通じてやるべきことと出会える人も、稀にはいる。野球やサッカーで、世界的にトップクラスの一流選手になる人はそういう例であろう。
ただスポーツにしろ芸術にしろ、小さいときからやって一流になる人でも、その分野で失敗から学び、自分なりのスタイルを築いている。
私たち一般人は、できるだけたくさん挑戦して失敗しつつ、そのなかから自分がやるべきこと、やりたいことがやっとわかってくる。
03.
一生懸命に仕事をしていると、自分自身を発見するチャンスに恵まれる。これが好きなのである。
ジョゼフ・コンラッド/イギリスの作家
一生懸命に仕事をしているときは、自分のいろいろな能力を試すことになる。例えば、処理能力、創造能力、継続能力、協調能力、忍耐能力などである。そして、ギリギリのところで頑張っていると、今までわからなかった自分の能力の高さがわかり、さらに上を目指すこともできる。
一方、いいかげんに仕事をしている人は、自分の本当の力はわからない。それに力は減退することが多い。本当はやればできる能力があるのに、仕事に熱心に取り組まないでいると、そんな「向上しない自分」が当たり前となる。それは時が経つにつれてますますひどくなる。
自分を知るというのは結構大変だ。しかし「自分にこれだけの能力があったなんて」と知ることにまさる喜びはない。そうして、ますます仕事に頑張る自分を見出すことになるだろう。
04.
誰かの真似をして成功するより、自分でやってみて失敗するほうがためになる。
ハーマン・メルヴィル/アメリカの作家
人の真似をしてみるのは決して悪いことではない。早く一流になりたい人は、自分の尊敬する一流の人を真似てみるといい。一流になるだけの心掛けと努力をしているのがよくわかる。そして、自分でもそうした努力ができるようにチャレンジしてみよう。ただし、これはある程度までの話である。
最初は、一流の人と同じレベルになることを目指して努力をするべきだが、途中からは、自分の力で新しいことに挑戦し、自分らしさを追求すべきである。そうしないと必ず限界がきて、将来がないことになる。
ハーマン・メルヴィルが述べるように、結局は自分でやってみて失敗をすることで学び、次への手を打つ。この繰り返しが本物を生むのだ。本物の一流、そして超一流への道はこうしてできる。
真似ばかりしていると、今は楽だが未来は厳しい。
05.
質問をたくさんする人は、多くを学び、それを忘れない。
フランシス・ベーコン/イギリスの哲学者
「なぜ」という疑問が、物事を進歩させるきっかけをつくる。その「なぜ」を質問するということは、自分やまわりを動かす第一歩となる。質問という行動に移ることで、物事が大きく前に進む知恵を生むことになる。
そして、その自らの能動的な実践は、記憶に残り、忘れることが少なくなるという副次的な効果をもたらす。
06.
逆境に遭遇して、その苦難を耐え抜いた人でないと、自分の本当の力というものがわからない。
ベン・ジョンソン/イギリスの劇作家
自分の本当の力は、誰にもわからない。日常が平穏無事だと、ほとんどわからないだろう。自分の好きな方向性は何となくわかるが、それも日頃の経験の中で「これではないか」と気づくのである。
それが、ひとたび逆境や問題に遭遇し、それを乗り越える必要があるとき、人は日常の自分以上の力を出さなくてはならなくなる。すると「こんなところに自分の力があったのだ」ということを知ることができる。
これは逆境とまでいかないことでも、ある問題に対して積極的に挑戦することでわかることもある。
07.
問題点は細かく分けてから解決していけば、さして困難なものはなくなる。
ヘンリー・フォード/アメリカの実業家
さすがは、流れ作業により大量生産を生み出した自動車王の言葉である。一人で車全体をつくるのは困難であるが、細かく分けて、多くの人でつくっていけば、安価で立派な車ができていくことを考え出した。
トヨタではこの考え方を応用して、フォードやGMの車のエンジンを一つずつの部品に分けてチェックし、自社製品と比較をして、米国製に負けない車をつくることを目指した。いわゆる「トヨタ生産方式」では、どこかに問題があると流れ作業を止めて、みんなでその解決策を考え出す。これも、細かく分けてから問題点を解決していくので、そんなに大きくて困難な問題ではなくなる。
一方フォードでは今日、このヘンリー・フォードの考え方の原点を忘れ、流れ作業を止めて解決策を見出すということをやらずに、停滞の原因をつくるようになった。このヘンリー・フォードの考え方は、私たちの人生全般の問題解決の良い方法として、とても参考になるものである。
08.
時として、私たちは人の善い行いよりも、悪い行いから、多くのものを学ぶものである。
ヘンリー・ワーズワース・ロングフェロー/アメリカの詩人
人間というのは不思議なもので、他人の善い行いよりも悪い行いのほうが、より正しく観察できるようである。しかも役に立つ。「自分は、あんな間違いはやってはいけない」とよくわかるものだ。
この仕組みを利用して、わが人生を向上させていくようにしたい。よく他人の行いを観察し(特に悪い行いをじっくりと観察して)、自分は同じような間違いを犯さないように気をつけたい。
09.
人は、自分のことが認められなければ満足できないものである。
マーク・トウェイン/アメリカの作家
フロイトは、人間の行動は、①性欲、②偉くなりたい、の2つから生まれると言っているが、マーク・トウェインの言葉は、このうちの②に含まれる。カーネギーの言う“自己重要感”と同じ趣旨のことであろう。
「偉くなりたい」や「自己重要感」は、金銭や高い社会的地位が欲しいという私利私欲からくるものと、よい行いをしたい、世の中の役に立ちたいという思い(いわゆる自己修養や社会貢献欲)からくるものに分かれるだろう。
いずれにしても、何とか認められたいという願いがあってこその向上心である。だから、他人や世の中に認められたいというのは必要なことである。世の中には、自己修養や社会貢献する人のことを“名誉欲が強い”として批判する人もいるが、言わせておけばいい。その人自身も、名誉欲を満足させるために言論活動に勤しんでいるのだから。
10.
志がなければ何も始まらない。努力なしには何も成し遂げられない。報酬は向こうから送られて来るものではない。自ら勝ち取らなければならないものである。
ラルフ・ワルド・エマーソン/アメリカの思想家
志を持って、自分の思いを実現するのだ。そのために精一杯の努力をしてみよう。自分で考えた、「これぞぜひやりたいのだ」という志を信念にまで高め、それを手にすることで自分という人間は生かされることになるのだという。
報酬、つまり自分の望んでいるものは、何もしないのに向こうから送られてくるものではないのだ。自らの行動の結果、勝ち取るものなのだ。
そのためにも、言葉で強く自分を励まし続け、その志をぜひとも実現するために頑張ってほしいと勇気づける。