Linkin Parkメンバーから亡きチェスターへの手記。君がいなくて本当に寂しい…

去る7月20日に人気ロックバンド、リンキン・パークのボーカル、チェスター・ベニントンさんが亡くなってから早1週間。その哀しみは癒えるどころか、日ごとに喪失感は大きくなるばかりだ(メンバーのマイク・シノダも「1週間。まるで永遠のようだ」とツイート)。

 

チェスターさんの死後、リンキン・パークの楽曲は7月20日のたった1日だけで90,000曲がダウンロードされ、アルバム・セールスは21,000枚を記録した。その衝撃がいかに甚大なものだったが伺えるだろう。

7月24日には、残されたメンバーがチェスターに宛てた手記を公開。悲痛で、かけがえのない仲間への愛に満ちた言葉が切々と綴られていて、読んでいてもう胸が張り裂けそうになってしまう…。

残されたメンバーから
親愛なるチェスターへ

親愛なるチェスターへ、

我々の心は打ち砕かれてしまった。この出来事を受け入れようとしているけど、哀しみと拒絶の衝撃がまだ僕らファミリーに押し寄せている。

 
君は本当にたくさんの人々に届いていたよ、きっと自分で気づいている以上にね。この数日間、パブリックでもプライベートでも、世界中からたくさんの愛とサポートが溢れ出ているのを僕たちは目の当たりにしているから。
 
タリンダ(編注:チェスターの愛妻)と家族は感謝しているし、君が最高の夫であり、息子であり、そして父親であったことをみんなに知ってほしいと願っている。
 
僕たちから君を奪った“悪魔”は、いつだって取り決めの一部だったと自分たちに信じ込ませようとしている。結局のところ、その悪魔について歌う君の姿に最初からみんな惹かれてやまなかったんだから。
 
恐れずに君はそれをさらけ出し、そうすることで僕たちをひとつに繋ぎ、より人間らしくなれることを教えてくれた。君は本当に大きなハートの持ち主で、その心情を偽りなく見せてくれた。
 
音楽を作り、演奏することへの僕たちの愛は消えることはない。これから行く道がどこへ繋がっているのかはわからないけれど、君が僕たちそれぞれの人生をより良くしてくれたことは間違いない。そのギフトに感謝してる。大好きな君がいなくなって本当に寂しいよ。
 
僕らがまた会う日まで。
 
LP
 
(抄訳)

Linkin Park最初期の、
初々しい6人の姿が公開

7月25日には、メンバーのマイク・シノダが、バンドで初めて撮ったという写真を公開。約20年前に撮影されたもので、まだあか抜けない6人の姿がなんとも微笑ましい…。

マイク・シノダ:1997年か1998年…たしかこれが僕らが最初に撮った写真だと思う。

チェスターにバンドに加入してもらいたいと言ったんだ。彼はアリゾナからロサンゼルスまで引っ越す準備はできてるよって言ってくれて。僕らはUCLAの近くにあるピザ屋さんに行って、これから何をすべきか話し合ったんだ。当時はXero(ゼロ)というバンド名で、たぶん持ち曲は6つもなかったはず。炎のタトゥーも赤い髪でもなくて、僕らの多方はまだ大学生だった。

悲劇を防ぐために…
追悼サイトが開設

またバンドはチェスターさんを追悼する特設サイトを公開

首吊りによる自殺と報じられているチェスターさんの死を悼み、このような悲劇を防ぐために「万が一、君や君の知っている誰かが助けを必要としているのなら」との見出しと共に自殺防止ホットラインなどの情報源がトップに掲載されている。

また、このサイトはTwitterなどのSNSで「#RIPCHESTER」というハッシュタグの付いた投稿が表示されるシステムになっていて、今この時もたくさんのユーザーから投稿が寄せられている。いかにチェスターさんが多くの人々に愛されていたかがひしひしと伝わることだろう。

北米ツアーはキャンセル
11月の来日公演は…?

7月〜10月に予定されていた北米ツアー(ワン・モア・ライト・ワールド・ツアー)はやむなく中止となってしまった。この北米ツアーは7月27日のマサチューセッツ州マンスフィールド公演に始まり10月まで続く行程だった。

北米ツアーの後には、11月2日、4日、5日の3日間にわたる来日公演が控えていた。ONE OK ROCKを対バンに迎えたこの幕張メッセでのライブがどうなるかは、目下調整中とのこと。11月4日のチケットは既に完売していて、たのしみにしているファンも多いだろう(下記のとおり、ONE OK ROCKのTAKAもその日を心待ちにしていたひとりだ)。続報につていは随時こちらでご確認を。

リンキン・パークの
音楽は鳴り止まない

冒頭でも触れたとおり、チェスターさん死去の余波によって、リンキン・パークの音楽へのニーズは急増。ニールセン・ミュージックによると死去の報が駆け巡った7月20日にリンキンの楽曲は計1,260万回再生され(ちなみに前日は150万回)、アメリカにおけるストリーミング・サービスの再生回数を730%も増加させたそう。

その中で最も多くストリーミングされた曲が「In The End」だったことは単なる偶然ではないだろう。

きっかけはどうあれ、リンキン・パークの音楽が多くの人々に聴き継がれていくことは間違いなくポジティブなこと。リンキンの音楽を、そしてチェスターという素晴らしいボーカリストの歌声をこれからも伝えていけたらと思う。

改めて、チェスターさんのご冥福をお祈りします。

Top Photo by Scott Dudelson/WireImage/Getty images
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