KEENが、フジロック参加者に知ってほしかった「地球との関わり方」

7月26日〜28日の3日間、世界中の名だたるアーティストがパフォーマンスをおこなった国内最大級の野外ロックフェス「FUJI ROCK FESTIVAL ’19」(以下 フジロック)。

今年もオフィシャルサポーターとして「KEEN」はブースを出展。SNSを中心に話題になっていましたが、開催2日目の台風6号による豪雨の影響で夜にはブース周りが水没。3日目、彼らは急遽設営した仮設のブースで参加者を迎えることになったのでした......。

この記事では、そんなハプニングに見舞われた「KEEN」が販売していたフジロックのコラボレーションモデルと、参加者と一緒に作り上げていたインスタレーションについてご紹介します。

豪雨にも負けない
野外フェス仕様のモデル

©Meg Suko

写真左がNEWPORT H2、右がTARGHEE EXP MID “SP” WP。

「KEEN」が、フジロックのコラボレーションとして販売していたのは、水陸両用サンダル「NEWPORT H2(ニューポート エイチツー)」と完全防水ブーツ「TARGHEE EXP MID “SP” WP(ターギー イーエックスピー ミッド エスピー ウォータープルーフ)」のふたつのモデル。悪天候になりやすいフジロックの開催時期と会場である苗場の地域性を考えたうえでのチョイスです。

どちらもフジロックの「ロック(岩)」を意識したグレーをベースに、随所にビビッドな赤があしらわれています。

また、脱ぎ履きをスムーズにするためにバンジーコードを使い、夜間の移動の際に安全性を高めてくれる蓄光のリフレクターなどを採用。ちょっとしたことかもしれませんが、野外フェスシーンに精通している「KEEN」ならではの気遣いです。

会場に設置されたポップアップストアでは、雨対策として購入している人も多数。「KEEN」の販売スタッフによると、初日からシューズは非常に人気で、在庫が足りなくなるかもしれないと少し焦るほどだったとのこと。

©KEEN

ペットボトルの“重み”を
理解してもらうアート作品

©Meg Suko

先にもご紹介した通り、「KEEN」はインスタレーションプロジェクトをブース前でおこなっていました。その内容は、フジロック参加者に「NEWPORT H2」の形をしたフレームにペットボトルを挿してもらい、長さ約3mと幅約1.5mの作品を完成させるというもの。

これには、参加者の方々に今一度プラスチックゴミを大量に出していることを認識してもらい、少しでも地球を汚さないように行動しようというメッセージが込められています。

©Meg Suko
©Meg Suko
©Meg Suko
©KEEN

参加者の方々にお話を聞いてみると、「あらためてゴミを大量に出していることを知った」「自分の生活でもできることがないかを考えてみようと思う」など、このプロジェクトに参加したからこそ感じることのできた想いを語ってくれました。

完成していく作品を目の前にすることで、どれだけ大量のペットボトルが捨てられているかを考えるきっかけにもなったようです。

「プラスチックゴミ問題を
気にかけるようになってほしい」

©2019 TABI LABO

最後に、今回のインスタレーションプロジェクトについて、キーン・ジャパン合同会社のジェネラルマネージャー・日本代表を務める竹田尚志さんにお話を聞きました。

「アウトドア・フットウェアブランドとして、『KEEN』がプラスチックゴミ問題に対して何ができるのかをずっと考えてきました。そこで、『KEEN』アンバサダーでもある日本大学藝術学部の教授・鞍掛純一さんに相談したところ、『NEWPORT』をペットボトルで作ることによって視覚的にプラスチックゴミ問題の深刻さを訴えかけるというアイデアが生まれたんです。

たった1本のペットボトルをフレームに挿したところで、何も変わらないだろうと思う気持ちもわかります。でも、このプロジェクトに参加することで、ペットボトルが処理される方法やリユースの仕方などを気にかけるようになってほしいんです。

いわゆる“意識が高い”ことなので、最初はバカにされるかもしれません。友だちや家族にどんな言われ方をしても、自分の考えを伝えていくのが個人的には一番大切なことだと思っています。実際にマイボトルを持ちながらね。

それを続けていくことが、大きな流れを生むきっかけになるんです」

今回完成したインスタレーションは、たくさんの人の考えに少しでも影響を与えられるように、作品として保存されます。「フジロックに足を運んでいない人たちにも、プラスチックゴミ問題を意識してもらいたい」。そんな「KEEN」の想いの表れなのです。

Top image: © Meg Suko
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。