移り変わる「ラグジュアリー」の定義。ケリングの毛皮廃止が拍車をかける

「サンローラン」や「グッチ」をはじめ、世界のトップブランドを率いるラグジュアリー・グループの「ケリング」。

ラグジュアリーの代表格とも言える同社がこの度宣言したのは、傘下の全ブランドにおける毛皮の廃止だ。

会長兼CEOのフランソワ=アンリ・ピノーによると、「最高レベルのラグジュアリービジョンに基づき、世界の変化に適応する時が来た」とのこと。

2017年に傘下のグッチがファーフリーを宣言したのを皮切りに、ついに全ブランドが追従する形となった。

いまやラグジュアリーブランドといえどサステナビリティへの配慮は不可欠で、なかでも動物福祉はファッション業界と切っても切り離せない問題。

モードやクチュールの全盛期であった20世紀において、毛皮製品は“ラグジュアリー”の代名詞で、かのイヴ・サンローランやアレキサンダー・マックイーンといった天才デザイナーたちにとっても欠かせないものだった。

けれど……時は進み、ラグジュアリーの定義は変わった。その価値は希少で高級な素材に宿るのではなく、社会的価値や基準において主導的な役割を果たすことで生まれるものとなってきている。

そんな“新しい価値”に対応するため、2022年フォールコレクションより毛皮の廃止を実行するそう。

いまや過去の美学となった毛皮をはじめとする「消費」。今世紀は真逆の言葉、サステナビリティがその役目を果たすことになるようだ。

次の1000年、この取り組みはどのように語られるのだろう?

変わりゆくラグジュアリーの定義、そして時代に沿って“美”を牽引し続けるブランドのこれからに期待したい。

Top image: © iStock.com/Ravitaliy
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