「今日『絞首台』の香り付けてるの」って言ってみたくない?
新しい香水をお探しのあなたへ。タートルネックのニットに手が伸びる季節になってきましたし……『絞首台』の香りなんていかが?
名前だけで思わず首がすくんでしまうような香水を生み出したのは、クラシック音楽を香り化するブランド「La Nuit」。
第一弾では、モーリス・ラヴェルのピアノ曲『夜のガスパール』をテーマに、『オンディーヌ』『絞首台』『スカルボ』の各楽章をオードトワレで再現している。
ピアノとのつながりは、鍵盤のようにビン下部を押す取り出し方や、楽譜やコラムを収めたブックレットにも。
先日「GINZA SIX」で開催されたポップアップにて、実際に嗅いでみる機会に恵まれたので、レビューを織り交ぜてご紹介しよう。
水の精のなめらかで妖艶なイメージが香る『オンディーヌ』も、小鬼が鼻腔にも飛び込んできそうなほどスパイシーな『スカルボ』も印象的ながら、やっぱり心から離れないのが……『絞首台』。
きっとおどろおどろしい香りだと覚悟して嗅いだ筆者を迎えたのは、乾ききったトップノートだ。それがかえって、希望や憎悪のみならず、死の恐怖までも尽き果てたことを想起させて、背筋が凍った。
「これは落ち着かない香りになるなぁ」と思いきや、時間とともにエレミのほの甘い香りが顔を出し、たちまち救われた気分になってしまう。
淡路島在住のアーティスト和泉侃氏が監修した香りにすっかり魅了されたあとは、ムエット(試香紙)裏面のQRコードをチェック。
『夜のガスパール』の名演を集めたプレイリストを聴きながら、香りと音楽のペアリングを楽しむことができる。イベントで先行配布されたこのムエットは、公式ECサイトで取り扱い予定なのだそう。
タイトルを見てゾッ。
嗅いでゾゾッ。
怪奇と幻想に満ちた楽曲を聴いてゾゾゾッ。
視覚、嗅覚、聴覚が痺れる、忘れられない香り体験が気になる方は、「La Nuit」の世界へ飛び込んでみて。