結婚は、もう「人生のゴール」ではないのかも……
「結婚」に対する考え方の変化が、新成人を対象とした調査で明らかになってきた。
まず、結婚願望がある新成人の割合は全体的に減少傾向にある。「結婚したい」と回答した新成人は78.6%。一時は73.8%まで低下し、コロナ禍でやや回復はしたものの、1990年代後半からの長期スパンで見ると下降気味である。
「結婚したい」と思う理由については、「好きな人と一緒にいたい」「家族がいると幸せ」「子どもが欲しい」がトップ3。ただ、上位2項目は昨年からほぼ横ばいなのに対し、「子どもが欲しい」は過去6年間で最低の36.8%に落ち込んだ。
「子どもが欲しい」と思う人が減っている背景にあるのは、コロナ禍だけではないようだ。というのは、「結婚したら子どもが欲しい」と思う人の割合は64.1%で、過去5年で最低だった2021年と比べると約3%回復はしたが、それでも2019年以前の約69%までは戻っていないからだ。
考えられる理由の1つは、経済面や精神面での不安だろう。なぜかというと、結婚したい理由で「経済的、精神的に安定したい」と答えた人の割合が昨年から約11%も増え、過去6年間での最高値に達したからだ。
物価高や給与、老後資金、子育て環境などに不安を抱き、妊娠や出産に消極的になっていると考えられる。
ちなみに、「SHIBUYA109 lab.」がZ世代を対象に調査をした結果、半数以上は「子どもがいても仕事を続けたい」と回答。また、約3割は「子どもは欲しくない」と答えている。家庭とキャリアの両立を不安視して出産・子育てに踏み出せない人は、少なくないようだ。
結婚についても、「絶対に結婚したい」と思っている人の割合は16.3%にとどまった。一方、結婚に対してハードルを感じている人は85%で、「自分で稼いで、自分のために使いたい」「仕事が制限されるのは嫌だ」などの意見が見られた。
結婚は、人生のゴールから選択肢の1つへと変わってきているのかもしれない。
「新成人の『結婚』意識に関する調査」
【調査主体】株式会社オーネット
【調査対象】2002年4月2日~2003年4月1日に生まれた成人式を迎える男女
【サンプル数】618人 (男性309人/女性309人)
【調査日】2022年12月2日(金)~12月4日(日)
【調査方法】インターネットを利⽤したクローズ調査
【調査地域】全国
「Z世代の恋愛・結婚観に関する意識調査」
【調査主体】SHIBUYA109 lab.
【調査対象】高校生・大学生・短大・専門学校生
【サンプル数】400人(男性200人/女性200人)
【調査日】2022年11月〜12月
【調査方法】WEB調査・グループインタビュー
【調査地域】一都三県