ゴビ砂漠で出会った「ランナーと野良犬」が感動のゴール!
ゴビ砂漠で開催されている「Gobi March」は、灼熱の砂漠を250キロメートル走りきる苛酷なレース。
ですが、ある選手のあとをおよそ150キロもついてきた一匹の犬がいました。
レース初日、どこからか野良犬が現れ、スコットランド出身の選手、ディオン・レオナルドさんのあとをついて走り始めました。2日目の朝にはしっかりとスタートラインに立っていたそう。
「横にいて、見上げてくるんだ。一緒に走る? ってな具合にね。でも、そんなに長くついてくるとは思ってなかった。どこまでついてこれるのかな、と考えていた」。
と、「The Washington Post」に語った彼。犬の名前は「ゴビ」に決まり。それから砂漠を並んで37キロメートルもの距離を走っては、テントで身を寄せて一緒に寝るようになりました。他の選手と比べても、彼女の走りはずいぶん慣れたものだったとか。
「一日中くっついてくる」
特別なことをしたわけではなかったけれど、不思議なことに、ほかの選手には目もくれません。
3日目には彼女を抱えて、下半身が浸かるくらいの深さがある20メートル近くの川をいくつか渡りました。競技に参加している身としてはそんなことをしている時間はなし。だけれど、次第に情がわいてしまい、彼女を置いてレースを続けることができなくなっていたと「BBC」にコメントしています。
もう独りにはさせられない
気温52度にも及ぶ苛酷な環境だったため、大会主催者の判断でゴビはステージ4と5を離脱、ゴールでレオナルド選手を待つことになりました。
「5日目は、80キロメートルある。熱くて疲労も限界だった。彼女のしっぽを振る姿を見た時は、素晴らしい気分だったね」。
ちなみに、結果は2位。すごい!
離れ離れになりたくないという思いは大会が終わっても変わらず。彼は自国にゴビを連れて帰ることにしました。
検査や申請などには6,500ドル(約65万円)もの費用が必要でしたが、興奮の熱冷めやらぬ当日のうちに自身のウイスキーコレクションも売却、クラウドファンディングで資金を募りました。
幸運にも必要以上の金額が集まったため、およそ4ヶ月ほどで移住できる予定。いまは友人宅に預けられています。余ったお金は動物愛護団体などに寄付されるそう。
「NZ Herald」によると、レオナルド選手の奥さんはちょっと心配してるみたい。自宅で飼っている猫たちと彼女が、いい姉妹関係を築けるかどうかが心配なんだとか。なんとも微笑ましい悩みです。
移住する頃にはちょうどクリスマス。また一緒に新生活のスタートを切るまで、もう少しだけの辛抱ですね。