40年以上続いた「文通」の相手と、初めての出会い!
お互いの顔を知ることなく、しかし途切れることなく続いた文章でのやりとりの末、先日ようやく出会ったふたり…。
ニューヨークのGeorge Ghossnさんと、サンディエゴのLori Gertzさんはペンフレンドとして、文通をしながら42年間も友情を深めていました。
はじまりは
1通のチェーンレター
Georgeさんが、初めてLoriさんからの手紙を受け取ったのは、彼が15歳のとき。
それは、一通のチェーンレターでした。月に5通を出し、たくさんの手紙を受け取っていたGeorgeさんは、その中から12歳のLoriさんの手紙に返事を出したのです。
それからふたりは、月に一度のペースで手紙を送り合いました。お互いに学校のこと、将来の夢のこと、そして家族のこと。
幼い頃は漠然としていた手紙の内容も、成長するにつれ深いものとなり、ふたりは顔の見えない「親友」になっていったのでした。
「聞いてほしい言葉が
たくさんあった」
Georgeさんは、2006年に母親の葬儀で飛行機に乗ったとき、Loriさんに手紙を書いたことをよく覚えていると言います。
「あのとき僕は大切な家族を失って、聞いてほしい言葉がたくさんあった。すぐにLoriのことを思い出して、手紙を書いたんだ」
その手紙のことは、Loriさんも記憶していました。
「わたしたちの関係は、決して恋愛感情と結びつくことはなかったけれど、他の誰とも共有できない深い関係であることは間違いないわ。あの手紙を受け取ったとき、確かにそう思ったの」
Georgeは兄弟も亡くしていて、今は家族がいません。そんな彼にとってLoriさんは、遠く離れて住む本当の妹のような存在だったそうです。「人生って、短すぎるよね」という彼の言葉を聞くと、この文通がどれほど大きな支えになっていたのか、想像すらつきません。
そして、初めて出会い
涙のハグを交わしたふたり
42年越しに、ふたりが初めて出会ったのはLoriさんがニューヨークの大学に進学した息子を訪ねたときのこと。
ウエストベリーにあるレッドルーフホテルのロビーで、文通でしかやりとりしていなかったふたりが、ようやく顔を合わせたのです。
顔を見てハグをした瞬間、彼は涙が止まらなかったと言います。
「とにかく、喜びしかなかった。彼女はまさに僕が想像していたような素敵な女性だったし、失望なんてとんでもない。僕たちの絆はさらに10倍強くなったように思うよ」
Loriさんもこう話します。
「私は、Georgeのことを本当に大切な友だちだと思っているわ。私の家族全員が彼のことを知っているの。私の人生において、とても大きな存在なの」
ちなみに、文通は今も変わらず続いていて、手紙もすべてきれいに保存されているそう。ふと、大切な友だちに手紙を書きたくなる…そんな素敵なストーリーでした。