世界で初めて、トランスジェンダー女性が「母乳育児」を成功させた。
2008年、男性が世界で初めて妊娠・出産したとニュースになりました。
もともと女性として生まれてきたけれど、大人になってから自分は女性に惹かれているということに気づき、性転換手術をしたThomas Beatieさん。
法的にも男性と認められ結婚したものの、奥さんは過去に子宮を摘出していて、妊娠できない状態だったのだそう。そこで、子宮と卵巣が残っていたThomasさんは、父親として子どもを産むことを決意しました。
子どもを妊娠するために男子ホルモンの投与を止めて、人工授精を試みた結果、見事に妊娠。女の子を無事出産しました。今では3人の子宝に恵まれ、家族5人で幸せな家庭を築いています。
もちろん、男性の妊娠・出産は世界中のメディアが注目し驚かれていましたが、出産したあと、奥さんの母乳で子どもたちが育てられていたという点に、「なぜ奥さんの胸から母乳が出るの?」という疑問の声が多かったようです。
奥さんは、母乳が出るようにホルモンを投与をして、母乳育児の準備を進めていたのです。子どもを産んだのはお父さん、母乳によって育てるのはお母さん。こういった家族のカタチを実現することが出来るということも、このニュースによって多くの人に届いたことでしょう。
2018年、
男性として生まれた女性にも…
トランスジェンダー男性が妊娠・出産したニュースのちょうど10年後。
2018年2月16日、生まれた時は男性で、今は女性として生きる人でも、乳の分泌を誘発するホルモンを使って、授乳できるようになったと『Transgender Health』が発表しました。
これは世界初の科学的な臨床研究結果で、『mail online』によると、彼女は1日226グラムの母乳を分泌する事に成功し、赤ちゃんは生後6週間、ほとんど母乳だけを与えられたそうです。
その後も母乳と離乳食で育てられ、健康に成長中とのこと。乳の栄養価や、子どもの安全面については、今後も研究が必要だという声もありますが、今のところ成長や摂食機能には問題がないとされています。
ストレートの男性が
妊娠・出産・授乳できる日が来る?
『アメリカ生殖医学会』によると、現在の移植医療技術では、男性に子宮を移植し、妊娠・出産することは可能だと言われています。
引用:『RT』
ただし、それには女性ホルモンの投与が前提で、人工授精・帝王切開になる可能性が高いとのこと。
実際のところ、本当に実現するのがいつになるかはわからないけれど、もしかしたら10年後には、男性の体で出産、母乳育児をする姿が見られるのかもしれません。