「ブタの心臓」を人間に移植する手術、世界で初めて成功

米メリーランド大学医学部が、57歳の米国人男性に遺伝子操作したブタの心臓を移植する手術を行ったことを発表した。

8時間に及ぶ手術を経て、術後3日の時点でも体調が良好であることが各メディアで報じられている。

世界では、臓器の不足が深刻な問題となっており、特に人の心臓のドナーが足りず、移植を求める人のニーズに応えられない現状がある。

そこで、育てやすくて成長が早い上に、人間と構造が似ているという豚の臓器の移植に期待が高まっているのだ。

今回の患者のデビッド・ベネットさんは心疾患の末期状態にあって、通常の心臓移植は適さず、ブタの心臓移植が唯一の選択肢であったことから手術にいたった。移植の際には、人間の身体に適応するため4種類の遺伝子が取り除かれ、免疫受容にかかわる人の遺伝子が6種類挿入されたという。

どのような影響があるのかは不明であるが、少なくとも数日間生存できていることでも医学的な意義は非常に大きいとのことだ。

倫理的な問題もあるかもしれないが、救えないはずの命が助かるのも事実。今後は、臓器移植を待つ多くの患者の選択肢が増えることになるかもしれない。

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