ドナーになってくれた男性が「永遠のパートナー」に(実話)
何がキッカケで、運命の人と出会うかはわからない。だけど、まさかお腹を出して写真にうつるこのふたりも、そのキッカケが「肝臓」とは、夢にも思っていなかったに違いない。
突然、「余命2ヶ月」と宣告された。
アメリカで生まれ育ったHeatherさんは、25誕の誕生日を迎えてすぐに、思ってもいなかった宣告を医師から受けることになる。
肝臓癌それもステージ4。腫瘍が大きくなるまで気づきにくい、と言われている肝臓の癌は、手の施しようがないところまで彼女の体を蝕んでいた。その後すぐに肝不全を患い、あと2ヶ月命がもったらいいほう、と医師も見放すほどに。
悪化していく自分の体に、Heatherさんはショックと絶望で、心の活力も失っていたのかもしれない。CBS NEWSのインタビューから、当時の彼女の切実さが伝わってくるはず。
「ドナーを探して多くの人に検査を受けてもらったけど、いい報告を聞くことは結局できませんでした。健全で、同じ血液型、同じサイズの肝臓を持つ人を見つけるのはかなり難しいと言われていたから……もうほとんど、生きることを諦めていたんです」
しかしそんな彼女のもとに、1本の電話がかかってきた。
「やあ、君がHeatherだね?僕の名前はChris。君のいとこの同僚さ。肝臓癌だと聞いてドナーを申し出たんだ。検査の結果、移植ができそうだ。大丈夫、きっとうまくいくよ」
そこに、助けを求める人がいれば…
Chrisさんは職場で、いつも使わない休憩室をたまたま選んだ日に「いとこが癌で、死んでしまいそうだ」という会話を耳にした。元海兵隊の彼は「助けを求める人がいれば、自分にできることはなんでもする」という精神が、そのとき彼を突き動かしていたのだろう。
Heatherさんの命が危ないと聞いて、すぐにドナーを申し出たことがこの電話に繋がった。肝臓の提供だけでなく、手術の資金集めのために募金を募ったり、彼女のケアに全力を尽くしたChrisさん。こうして移植手術は現実のものとなり、肝臓を半分移植してもらったことで、彼女は一命を取り止めた。
“無償の愛”が生んだ本物の愛
ここまでのストーリーでも、彼の器の大きさは十分に伝わってくるけれど、本当にシビれるのはこのセリフ。
「君の命が助かって本当に良かった。もし望むのなら、この先はもう会わないようにしようか」
彼女が回復した姿をみて、見返りを求めることなく、Chrisさんはこう言って立ち去ろうとしたのだ。Heatherさんは彼の人柄に心を打たれて、この先の人生も一緒にいて欲しいと伝えたそう。
「病気で、心が弱っていたからじゃない。これ以上の男性はいないって確信したの」。
その後ふたりは交際を開始して、ゴールイン。現在では、移植手術を求める人たちの支援をしながら幸せに暮らしている。