ブタの皮膚を使った角膜移植で、失明患者の視力が回復【研究結果】
今年の初めに話題となった、ブタから人間への心臓移植。なんと、今度はブタが人間の目を救ったらしい──。
スウェーデンの「リンショーピング大学(Linköping University)」の研究者らは、ある臨床試験をおこなった。それは、角膜の疾患が原因で失明、もしくは視力障がいを抱える患者20人に、ブタの皮膚から作られた角膜を移植するというもの。
移植手術の結果、なんと全員の視力が回復したのだそう。しかも、手術から2年が経過しても合併症の発症はみられなかったらしい。
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もしブタの皮膚を使った角膜移植が実用化されれば、失明に苦しむ多くの人を救えるとのこと。というのも、人間の角膜はドナーの死後2週間しか保存できないのに対して、ブタの皮膚から作られた角膜なら2年間も保つらしい。
また、従来の角膜移植は拒否反応防止のため術後数年間は薬を服用する必要がある一方、ブタの角膜移植なら目薬を8週間さすだけで済むのだとか──。
現在、角膜の疾患で失明した患者は世界に約1,300万人もいるとされている。彼ら、彼女らが再び光を取り戻すカギを、まさかブタが握っているとは……。
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