奇跡……?いえ、AIです。麻痺患者が再び歩けるように回復【研究結果】

麻痺患者を救うのは、AIなのかもしれない——。

科学誌『Nature』に掲載された発表によると、脊髄損傷による麻痺で歩行困難となったGert-Janさんの脊髄にインプラントを施したところ、歩行能力回復したらしい。

脳がイメージした「歩く」という行為をAIが読み取り、それを脊髄のインプラントに送ることで、自分の意思で歩けるようになったという。

この新技術は、「digital bridge(デジタルブリッジ)」と名付けられたそうだ。

従来は脊髄インプラントが脚の筋肉を刺激することで歩行を実現させていたが、歩かされているような印象が強かったとのこと。しかし、脳にもインプラントを施すことで、より自然な歩行に近づいたんだそう。

© MarkAClarkson/Twitter

Gert-Janさんは歩行訓練を積み、今では自分の意思で階段も登れるようになったらしい。しかも、驚くことに「デジタルブリッジ」をオフにしても松葉杖などがあれば歩けるそうだ。

ただ、研究チームによるとこの新技術がほかの患者にも同様の効果があるかどうかは不明で、さらに数年の研究が必要になるとのこと。加えて、インプラントの移植手術や歩行訓練は、身体的にも精神的にも負荷が大きいという。

「デジタルブリッジ」が確立され、1人でも多くの麻痺患者が再び歩けるようになることを願いたい。

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