「フィクション」を読むと「言語スキル」が磨かれる【研究結果】

知識や言語能力を向上させるような“有益な読書”と聞くと、自伝やビジネス書などの“ノンフィクション作品”を思い浮かべる人が多いはず。

しかし、特定の情報へのアクセスを目指すノンフィクション読者と比べて、フィクションを好む読者のほうが高い言語能力を持つことが、「コンコルディア大学」のSandra Martin-Chang氏らの研究で明らかになった。

研究チームは「余暇読書予測(Predictors of Leisure Reading)」という尺度を用いて、「ヨーク大学」の学部生200人の読書行動(興味、障害、態度、動機)を調査。

また、併せて「大学進学適性試験(Scholastic Aptitude Test)」で言語能力を測ったところ、読書に楽しさを感じる学生では、現時点での高得点のみならず、言語能力の向上が予測されたという。

分析の結果、フィクションで得られる「読書の楽しさ、前向きな態度、深い興味」の3要素が、脳内の認知を司る複数箇所を刺激することで、よりよい言語能力の習得に役立つことがわかった。

従来の研究でも、フィクションは共感力批判的思考の育成に効果的であることについては報告されていたが、それが強化される結果に。

また、Martin-Chang氏は「何度も何度も読みたいと思うことや、シリーズ全体を読みたくなること、登場人物や作家とのつながりを感じることは、すべていいことです」と述べている。

この提言のように、好きなものを好きなように読むことこそが、読書の真の楽しさや意義を実感でき、その結果、自身の能力の向上にもつながるといえるようだ。

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