飼い主がそばにいると犬はよく遊ぶ【研究結果】

犬たちは飼い主に喜んでもらうために、ほかの犬と遊んでいる可能性が高いことが、動物行動学者のLindsay Mehrkam博士らの研究でわかった。

実験は「飼い主の注意が犬同士の遊びを促進できるかどうかの解明」を目標にして、飼い犬2匹とその飼い主を対象に、合計10組でおこなわれた。

シチュエーションは、飼い主がいて気配りができている場合(褒めたり撫でたりする)、飼い主がいるが無視する場合、飼い主が部屋にいない場合の3つだ。

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実験の結果、飼い主が注意を向けていた際に、犬たちが追いかけっこや甘噛みなどの典型的な遊び行動を見せた頻度がもっとも高かったことが発覚。

この効果は、同じ条件で3回繰り返しても維持されたことから、人間と犬の間の観客効果を初めて実験的に証明した論文となった。

観客効果とは、心理学用語で「単に他者がかたわらで見ているだけでも社会的促進を生じさせること」を指しており、今回は「飼い主の注目が犬同士の遊びを促進したこと」を示すために使われている。

この行動の原因として研究チームが考えたことは、3つ。

1つ目は、犬たちが飼い主にかまってもらうこと自体をご褒美として捉えて、遊びを通してそれをほしがっているということ。

2つ目は、自分たちの間で、より活発に遊ぶことで、飼い主が参加したり、みんなで散歩に出かけたりするなどのご褒美が得られることを理解している可能性があるということだ。

3つ目は、飼い主がいるだけで、オキシトシンという感情的な結びつきや安心感に関わるホルモンが犬の中で分泌され、遊びが促進されるということ。

原因解明に向けて、研究は今後も続けられる予定だ。今回の研究結果全文が収録されたジャーナル『Animal Cognition』のご購読はコチラから。

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