ペットが「子どもの食物アレルギー発症」を抑制するらしい

もし、あなたの家庭に赤ちゃんや幼児がいるなら、かわいい我が子が食物アレルギーを発症してしまう可能性について、一度は考えたことがあるかもしれない。

乳幼児にもっとも多くみられる食物アレルギーは、卵、牛乳、ピーナッツだそう。先進国では、18歳未満の子どもの10%以上に食物アレルギーの有病率が確認されており、その数は増え続けている。子どもの場合、アレルギーは3歳〜4歳までの短期的なものもあれば、一生続くものもある。

生活の質を下げてしまうだけでなく、重大になれば命の危機にもかかわる食物アレルギー。できることなら発症しないほうがありがたいものだが、つい先日、そんなアレルギーの予防に大きく関わる研究結果が発表された。

なんと、室内でペットを飼うことで、子どもが成長してから食物アレルギーになる可能性が低減されるらしいのだ。

この研究を発表した福島県立医科大学のチームは、日本国内の乳幼児を対象に、ペットの有無と食物アレルギーの関係性について大規模な調査を実施。

その結果、胎児発育期や乳幼児期に室内犬などのペットに触れる機会があった子どもは、ペットを飼育していない家庭の子どもに比べて、食物アレルギーが少ない傾向にあることが明らかになった。

ちなみに、屋外で飼われた犬とともに育った子どものアレルギー発症率については、有意な違いはなかったという。

アレルギーと幼少期における動物との接触機会の関連性を示唆する研究は他にも存在するが、今回の実験の大きな特長は、ペットの「種類」によって食物アレルギーに対する防御効果が異なる可能性が示唆されたことだ。

屋内での「」への接触は、卵、牛乳、およびナッツアレルギーの発生リスクを低下させる可能性がある一方で、「」であれば、卵、小麦、および大豆アレルギーの発生リスクを低下させる可能性があるとのこと。

また、鳥、カメ、ハムスターなどの他のペットと一緒に暮らすことは、食物アレルギー発症の有意な減少にはつながらなかった。

ペットが食物アレルギーに影響を与える具体的な理由はまだ明らかにされていないが、動物が保持する微生物に対する人間の免疫反応の仕組みや、大気を通じたアレルゲンとの接触、あるいはペットがいる家庭環境などが要因として考えられるという。

研究者のひとりである岡部永生氏の見解を「Forbes」誌が紹介している。

いわく、今回の発見について、詳しく検証するためにはさらなる研究が必要であり、これは「できるだけ多くの種類の動物と触れ合うことが望ましい」という意味ではないと研究チームとしては考えているそうだ。

一連の研究については慎重な解釈が求められるが、調査結果自体はなんとも興味深いもの。食物アレルギーの新たな予防と治療につながることを期待したい。

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