米の裁判所で「ハチは魚」との判決が。勝訴できた理由とは?
もし「ハチは何類?」と聞かれたら、大抵の人は「昆虫類」と答えるだろう。しかし、なんとカリフォルニアの高等裁判所で、「ハチは魚とみなせる」との判決が下されたんだそう——。
今回の裁判を起こしたのは、地元の公益団体。カリフォルニア州の魚類狩猟委員会に対して、「絶滅危惧種法で危惧種と指定されている生物リストに、ハチ4種を含めてほしい」と要求したとのこと。
この絶滅危惧種法はもともと魚のような水生動物を想定しているから、ハチを含めるのは難しい。しかし、公益団体は同法が定める「魚の定義の不備」を逆手に取って、勝訴したんだとか。
さて、ここでその定義を紹介するので、どこに抜け道があったか考えてみてほしい。
【絶滅危惧種法の定義】
野生の魚、軟体動物、甲殻類、無脊椎動物、両生動物、あるいはこれらの動物の一部分、稚魚、もしくは卵
お分かりだろうか?
「魚の定義に無脊椎動物が含まれるなら、同じく無脊椎動物のハチも魚、つまり保護対象だ」と訴えたんだそう——。
こじつけのような主張だが、カリフォルニア州の高等裁判所はなんと、これを支持。「特定の条件下において、ハチは魚と法的に認められる」との判決が出た。
ちなみに、今回の裁判の背景にはミツバチを保護する目的があったらしい。というのも、ミツバチは農作物の受粉に欠かせない存在で、もし絶滅してしまうと食糧生産が困難になるんだとか。
背景を知ると今回の裁判にも納得はできるけれど、まさか「ハチは魚」が通るとは……。
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