魚は自分の「顔写真」を見て自分だと分かるらしい。「大阪公立大学」が発表
自分の写真を見て楽しむのは、人間だけではないかもしれない——。
「大阪公立大学」の研究チームによると、ホンソメワケベラという魚は自分の写真を見て自分だと認識できるらしい。
じつは、この魚が鏡に映る自分を見て自己認識ができることは分かっていた。
ホンソメワケベラの喉のあたりに染料で寄生虫に似た印をつけて鏡付きの水槽に入れたところ、砂利などに体を擦りつけて染料を落とそうとするんだとか。
© IFLScience/YouTube
ただ、鏡の場合は、自分と鏡に映る自分の動きが一致していることから自己認識をしているとも考えられる。そこで、今回の実験では静止画でも自分だと認識できるかを確かめたんだそう。
ホンソメワケベラは、知らない相手に対しては攻撃的になるらしい。この特性を利用して、自分とほかのホンソメワケベラの写真を提示したんだそう。10匹を対象に実験をした結果、なんと10匹すべてが自分以外の写真を攻撃したという。
しかし、この実験ではホンソメワケベラがどの部位を見て自己認識をしているかまでは分からない。
そこで、今度は「自分」「ほかの個体」「顔のみ自分で体は別の個体」「顔は別の個体で体は自分」の4種類の写真を提示したらしい。
©2023 Masanori Kohda et al., PNAS
すると、「ほかの個体」「顔は別の個体で体は自分」の2種類にのみ攻撃をしたというのだ。
つまり、ホンソメワケベラは、本当に静止画の顔を見て自己認識ができたというわけ。
ちなみに、イルカやゾウ、チンパンジーなども鏡に映る自分を見て自己認識ができるらしい。もしかしたら、ホンソメワケベラ以外の生物も自分の写真を見て自分だと分かるのかも……?
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