自分でも気づかなかった、本当の「強み」が分かる分析テクニック
弱みを克服することも大切ですが、もっと大事なのは、あなたの強みを最大限に活かすこと。たとえば、夢を賭けた過酷な競争で知られるアメリカの起業家たちの間では、弱みを埋めるよりも強みを伸ばすことのほうが、ずっと大切だとよく言われます。
しかし、肝心な「伸ばすべき強み」がわからなくては、どうしようもありません。そこで多くの起業家のゴーストライターを務め、多くの成功者を間近で見てきた「inc.」の人気ライターJeff Haden氏が送る、8ステップの分析法を紹介しましょう。
01.
自分の「ソフトスキル」を
分析する
まずはじめにするべきことは、自分がどのような「ソフトスキル」を持っているかを考える。
「ソフトスキル」とは、他の人と一緒に仕事をする上で大切なスキルのこと。広い意味でのコミュニケーション能力と言ってもいいでしょう。セルフコントロールが得意、考え方がポジティブ、へこたれない、忍耐強い、人の話をよく聞く…などです。
たとえばスティーブ・ジョブズは、ソフトスキルの天才です。彼は人の心を動かす術によって、Appleを王者へと押し上げました。しかしソフトスキルに乏しいからといって、心配することはありません。ビル・ゲイツはソフトスキルはそれほど持ち合わせていませんでしたが、別のスキルを活かすことで成功したと言えます。
02.
過去の成功体験を
振り返る
「こうなりたい」という理想像と実際の姿は、往々にしてギャップがあるものです。もしかしたら、理想の自分はこうであるべきだ、とこだわりすぎることが、あなたを成功から遠ざけてしまっているのかもしれません。
このズレを解消するために、実際の成功事例について考えてみましょう。以前参加したプロジェクトが成功したとき、あなたはどのように関わっていましたか?どうしてそのプロジェクトは成功したのでしょう?あなたのどんな行動が貢献しましたか?
こうして事例を振り返ることで、自分の果たすべき役割が客観的に浮かび上がってきます。
さらに、自分の持っているソフトスキルのなかで、どのスキルが役に立ったのかを考えましょう。
03.
自然に備え持っている
「力」を考える
人間、努力をして手に入れた能力こそが自分の力だと思ってしまうものですが、本当の強みは、むしろ何もしなくても自然と最初から持っている力です。
先生や家族、友人は、いつもあなたのことをどんな人だと言っていましたか?勉強しなくても成績が良かった科目はなんですか?ひょっとして、人を笑わせるのが得意ではありませんか?
最低5つ、こういった「自然にできる能力」を書き出したら、それぞれに自分の持っている「ソフトスキル」がどのように役立っているかを分析しましょう。
04.
他の人に
あなたの強みを訊く
自分で自分の姿はなかなか見えないものです。次にやるべきことは、他の人から見てあなたがどうかを訊くことです。
さっそく数人の知人に、あなたの強みが何かを聞いてみましょう。3つほど挙げてもらうといいでしょう。思った通りの答えが返ってきたら、自分の分析に自信を持ちましょう。そして思いもかけない答えが返ってきたら、新しい視点として取り入れればいいのです。
05.
プロジェクトを
シミュレーションしてみる
こう思い浮かべてみてください。上司から、今週末までに完了しなくてはならないプロジェクトを任されました。あなたはこのプロジェクトチームの一員です。成功させることは、会社にとっても、あなた個人のキャリアにとっても重要です。
もしこんな状況になったとき、あなたはどんな役割をするでしょうか。リーダー、調整役、アイデアマン、サボり魔、あるいはもっと別の何か?
こうしたシミュレーションをすることで、チームで動いたときにあなたがどんな強みを発揮するかがわかります。役割が見えてきたら、どんなソフトスキルが必要かも整理しておきましょう。
06.
「ハードスキル」も
リストアップする
「ハードスキル」とは、具体的な知識や技術のことです。経営、マーケティング、デザイン、プログラミング…。普通、スキルと聞いて思い浮かぶのは、こちらのほうですよね。
この分析方法の重要なところは、ハードスキルから考え始めず、ソフトスキルからスタートすることです。ハードスキルははっきりしている分、そこに縛られて本当の強みを見落としてしまいやすくなるのです。あなたのハードスキルをリストアップするのは、この段階になってからにしましょう。
07.
好きなことをリストアップ
好きこそものの上手なれ、という言葉があります。あなたがどんなことに喜びを感じるのかを考えてみましょう。
まずは、いつも自由時間にどんなことをしているか、から思い返してみましょう。いつも誰かの相談に乗っているでしょうか?ゆっくり本を読んでいるでしょうか?それとも、アウトドアに出かけていくのが好きでしょうか。
また、その活動をするときにどんなソフトスキルを一番使っているのか、も挙げておきましょう。
08.
次に何をするか決める
さて、ここまでくれば自分の持っているソフトスキルとハードスキル、そして真の強みについて、わかってきたのではないでしょうか。
大切なのは、その強みを活かして、何をするかです。
こればかりはあなた自身が決めなくてはなりませんが、もし会社勤めをしているなら、ちょっとした副業を始めてみるのもオススメです。決して簡単ではありませんが、安定した生活を維持しながら挑戦することで、リスクを回避できます。
新しいことを自分ではじめる経験は、何事にも代えがたいものです。成功すれば素晴らしいですし、そうでなくともきっとあなたを成長させてくれるはず。
さあ、決断しましょう。あなたはこれから何をしますか?