海外で商談をするときは、岡本太郎になりきれ。世界に通用する5つの交渉術
海外で働くためには、まず語学!そう思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、大切なのは、日本と外国におけるコミュニケーションの考え方の違いを知っておくこと。たしかに語学力も重要ですが、それだけではスムーズに仕事は進められません。
グローバルビジネスコンサルタントとして活躍する白藤香さんの著書、『90日間で世界のどこでも働ける人になる!』から、世界に通用する5つのコミュニケーション術を紹介します。
01.何事も必ず目的から話す
英語がかなり上手な日本人でも、欧米で話をすると「あなたの英語はわかるけれど、何が言いたいかがわからない」と言われてしまうことがよくあります。これは、言いたいことを日本語で考えて、それをそのまま翻訳して発言してしまうために起こることです。
日本語は文章構成が「起承転結」となっており、言いたいことが最後の「結」に集約されています。外国人にとっては、最後まで聞かないと結論がわからず、もどかしいものです。
欧米をはじめとする多くの外国人は、簡単に言うと「目的→理由づけ→結論」という構成で話を展開します。ですから彼らの思考に合わせて、最初に目的を言うクセをつけるだけでも違ってきます。相手に理解してもらいやすくなり、話が通るようになります。
「まず目的から」というのがやりにくければ、もっと単純に、最後に言おうとしていることを最初に持ってきてもいいでしょう。それだけで見違えるように会話が成り立つようになるはずです。
02.欧米の上司に「どうしたらいいですか」
はNG
はNG
上司から信用を得るには、どう対処をすればいいのでしょうか。欧米では、上司へのメールで定期的に進捗の報告は入れますが、基本は自分の責任で考えて行動します。たとえ困難にぶつかっても、ギリギリまで自分で考え、それでも乗り越えられないときに相談するようにします。
そうした状況に陥るまで、相手が上司であっても安易に「どうしたらいいでしょうか」などと口に出してはいけません。相談するタイミングとは、要は自分ひとりのせいで失敗するわけにはいかないときです。
ただ上司にもいろいろなタイプがあり、仕事の途中であれこれと割って入る人もいます。インドや中国、中東出身の上司には「お金を見ないうちは信用しない」というタイプが多いようです。
上司が100人いれば100通りのアプローチがあります。ぜひ、様々なアプローチ方法を身に付け、上司の信頼を得てください。
03.商談では
岡本太郎になりきる
岡本太郎になりきる
岡本太郎の名言に「芸術は爆発だ!」というものがありますが、まさに海外では自分を爆発させること、さらけ出すことが大切です。「岡本太郎になりきる」というのは、岡本太郎のコミュニケーションにならい、自分の考えていることをストレートに言葉にして表現すること、そして何者にも屈することなく、主張し続ける強さを持とう、ということです。
ときにはなかなか商談に持ち込めないこともあります。そんなときは何度も電話をして留守番電話にメッセージを入れ、「私の送ったメールを読んでください」と何週間でもお願いをし続けます。
私はかつて、どうしても商談したい相手となかなかアポイントメントが取れず、「I’ll fly to you.」と言って、本当に飛行機に乗って相手の住む国まで行ってしまったことがあります。後でどうして会ってくれたのかと尋ねたら、「君がここまで飛んで来ると言うから会うことにしたんだよ」と言われました。ありったけの熱意を示し、相手の気持ちを動かしたケースです。
04.「出る杭」くらいがちょうどいい
海外では、日本で身に付いてしまった控えめとか謙虚さは脱ぎ捨てて、自分をどんどんアピールするべきです。決して、何をしている人かと聞かれて、謙虚に「○○の仕事をルーティンでやっています」などと言ってはいけません。外国人の感覚だと、ルーティンジョブをやっている人がどうしてこの場に来たんだろう、と不思議に思われて終わってしまいます。
海外では、人と違っていること、ユニークであること、実際に数字を挙げている実績こそが評価すべきポイントなのです。どんな仕事でどれだけ収益貢献しているかで自分らしさを精一杯表現して印象付けるのが、もっともすぐれたアピールになります。
私は海外企業に勤務していたとき「日本人なのに全然おとなしくない、あのspicy girl(辛口の女)いるでしょ?」「ああ、シラフジね」という感じで覚えられていました。日本人の女性はおとなしく奥ゆかしいと思われているので、全くその反対のキャラクターであるだけで、彼らからは「ユニークな人」と覚えられたものです。海外では「出る杭」こそがみんなに注目され、受け入れられます。
05.言われたら全力で言い返す
どこの世界にも、人を陥れる輩がいます。特に海外では相手の感情の起伏も激しく、迫力があって一瞬ひるみますが、負けないことが大事です。
一度、誹謗中傷を流されたときには「Do you wanna be sued?」と言って応戦したことがあります。心の中では「訴訟を起こされたいか、こらぁ?」という気持ちでした。特にアメリカは訴訟社会なので、誹謗中傷や身に覚えのない悪口を止めさせたいときには、けっこう効果があります。
日本人は子供の頃から、人前では感情をコントロールするように訓練されていますが、ここぞというときには、感情のフタを外して応戦するべきです。