会社で使える「心理テク」。日頃のピンチをチャンスに変える!?

ウソがバレたり、会議で反対案が通りそうなったり、職場や学校などで訪れるそんな数々のピンチを乗り切るには、相手の気持ちを読み取り、コントロールしてしまえばいい。そんなテクニックがあるなら、ぜひ知りたい…。

日常で使える数々の心理術をまとめた神岡真司さんの著書『ヤバすぎる心理術』から、ピンチをチャンスに変える方法を紹介しましょう。

自分が「少数派」のときの
チャンスのつくり方

たとえば会議で、自分が推している案(A案)とそうでない案(B案)が討議され、B案が賛成多数で決まりそうなとき、形成を逆転するにはどうすれば良いのでしょうか?

強硬にB案への反対を唱えても、賛成派から総攻撃を喰らうだけです。そのときは「わたしもB案に賛成です。ただ、少し気になる点がまだあるので、A案の◯◯の部分も捨てがたく思っていますが、いかがでしょうか?」と言えばよいのです。少なくとも総攻撃で一気にA案が潰されることはないでしょう。

多勢に無勢の状況下では、たとえホンネは少数派側であったとしても、多数派に与するフリが多数派からの反撃を防ぎ、自分の意見を主張する要となるのです。

心理学では少数派が大きな影響を及ぼす理論として「マイノリティ・インフルエンス」という言葉が知られています。さらに具体的にいうと「モスコビッチの方略」と「ホランダーの方略」の2つがあります。

 「モスコビッチの方略」は少数派が一致団結し、具体的かつ現実的な意見を一貫して唱えるというもの。意見の合理性や一貫性が、多数派へ大きな影響力を及ぼします。

「ホランダーの方略」は過去に組織や世間で大きな貢献をしたことのあるリーダーが少数派の中にいると「この人が言うなら間違いない」と多数派が切り崩され、形成逆転する現象です。

つまり少数派が状況を打破するには、一致団結し、組織の功労者を味方に引き入れ、自分たちの意見の合理性を一貫して説得することが重要なのです。

相手に「NO」と言わせない
交渉テクニック

人は、好きでない人や嫌われてもいい人からのお願いごとは、カンタンに断ってしまいます。なぜなら応じると負担になるし、面倒だからです。しかし、こうした人たちからの依頼でも引き受ける場合があります。それは小さなお願いごと…つまり「極小依頼」です。

たとえば職場なら「ちょっとホッチキスを貸してもらえませんか?」「コピー機の操作方法を教えて欲しいのですが」といったお願いごとです。

また、人はいったんOKすると、続けて追加の依頼にも応じてしまう習性があります。これを「一貫性の原理」と呼びますが、「イエス」と言えば次も「イエス」となり、反対に「ノー」となれば次も「ノー」となるのです。つまり、要求を断られないようにするには、まず極小依頼から入ればよいのです。 

「◯◯さん、すみませんが、資料の封入作業を手伝ってくれませんか?」
「いいですよ」
「あの、ついでに封筒の糊付けと差出人ハンコ押しもいいですか?」
「え?…あぁ、いいですよ…」

といった具合です。はじめから全部をお願いすると断られそうなことでも、少しずつ依頼のハードルを上げることで通るのです。これは「段階的依頼法」と呼ばれるテクニックです。

他には「譲歩的依頼法」と呼ばれるテクニックもあります。これは「段階的依頼法」とは逆で、まずはおそらく断られるであろう大きな要求(ダミーの要求)を相手にお願いします。それが断られたら落胆して見せ、相手に罪悪感を植え付けます。そしてその後すぐに、水準を下げたお願いをするのです。

こちら側が譲歩したことで、相手も譲歩してOKをしてくれるはず。どうしても通したいお願いごとがあるときなどに、ぜひ使ってみましょう。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。