人を動かす交渉術!上手な人が使っている8つのテクニック

「自分は押しが弱い」と、自信がない方は多いかと思います。そのような方のために、この記事では人を動かす「交渉術」について紹介していきます。

交渉術は、仕事だけでなく生きていく上で必要となるスキル・テクニックです。知っておけば上手に世の中を渡ることができるので、ぜひともこの記事を参考してにて交渉上手になりましょう。

交渉術なんて必要?

話をする人たち

「セールスマンをしているわけでもないし、自分には交渉術は必要ない」と思っている方。決してそんなことはありません。交渉術は、仕事だけでなく家庭やプライベートでの人間関係など、さまざまな場面で活躍するテクニックです。家族や友人にも活用できるスキルなのです。生きていく上で、交渉上手になるに越したことはありませんよ。

交渉上手な人の特徴

交渉上手な人には、一定の特徴があります。以下では、交渉術がうまい人の特徴について紹介していきます。

「自分は人と交渉するのがヘタクソだ」という方は、交渉上手な人の特徴をお手本にするといいでしょう。交渉術は、スキルの一種で生まれ持った才能というわけではありませんので、得意な人のマネをすることで十分習得可能です。

流されずに自分をしっかり持つ

交渉上手な人は、周囲の意見などに流されずしっかりと自分を持っているのが特徴です。周囲に合わせないある種の「空気の読めなさ」とも取れる、「強引さ」が交渉においては重要になります。

何事においても周囲に合わせていては、交渉ベタとなってしまいます。自分の考えが何なのかをはっきり持ち、それを貫く気持ちの強さを持つようにしましょう。

相手の気持ちを汲み取る

話をする男

交渉上手な人は、相手の気持ちをしっかりと汲み取ることができます。空気は読まないけど、相手の心理はしっかりと読んでいるわけです。相手が何を考えているのかをしっかりと読み取り、その考え方を踏まえた上で自分の考えを表明することができます。

交渉下手な人は、相手の考えを無視してしまいがちです。相手の考えを知ることが、交渉の第一段階なのです。

意見を的確に表現できる

交渉がうまい人は、自分の考えや意見を的確な言い回しで表現できます。自分の意見を分かりやすい形で、他者に伝えることができるのです。

交渉ベタな人は、自分の意見をうまく表現することができません。何を伝えたいのかよく相手に伝わらないので、意見を通すことができないのです。自分が何をいいたいのか、整理して伝えるのがポイントです。

適切な相手に根回しができる

交渉がうまい人は、事前に適切な相手に根回しをしているので、自分の意見がすんなりと通ります。たとえば、意見が対立しがちな同僚がいる場合。同僚を説得する前に、上司に話を通しておくことで、交渉がスムーズに進みます。

交渉下手な人は、根回しをしないか、不適切な相手に根回しをしてしまうなどの特徴があります。

徹底した準備ができる

準備も何もしないで交渉しようとしても、うまく切り抜けられません。交渉がうまい人は、事前に徹底した準備をしてから説得・交渉に臨みます。

たとえば、プレゼンをする際に、考えられる反論などを事前に把握し、反論する準備をしておくことで、自分のプレゼンが通りやすくなります。交渉がうまい人は、準備がうまい人なのです。

交渉までの前準備

PC作業をする人

交渉をうまく進めるためには、前準備が必要不可欠となってきます。交渉上手な人は、かならず前準備を入念に行うのです。交渉がヘタな人は、前準備に時間をかけないものです。少しの準備だけでも交渉が有利になりますので、前準備は必ず行っておくようにしましょう。

以下では、交渉までの前準備の方法について紹介していきます。

1|相手の情報を整理する

交渉では、交渉の材料となる情報をどれだけ持っているかが重要となってきます。交渉に際して、情報収集は必要不可欠なのです。

たとえば、夫婦での家事の分担について交渉しようとするのであれば、一般的な家庭でどのように家事が分担されているのかについて情報収集をしておく必要があります。信憑性のある情報をより多く収集しておきましょう。

2|自分の情報を整理する

相手の情報を整理した後は、自分が置かれている状況を整理することが大切です。どのようなミッションを背負っているのか、また自分に何が提供できるのかを一度リストアップしてみてください。

相手の情報を徹底的にリサーチすることはもちろん大切ですが、自分の情報を整理できていないと自分にとって、あまりよくない条件を飲んでしまう可能性があります。

3|相手と自分の共通点を見つける

確認をする人

相手の情報をと、自分の情報を整理した後は、共通点を探してみてください。例えば相手が集客に困っている企業で、こちらが集客の手助けとなるツールを持っている場合、「集客」が交渉の切り口となります。

4|提示する条件が相手にとって魅力的か考える

交渉で良くある失敗は思ったよりもこちらが提示する条件が響かなかったというケースです。人、企業によって価値観はバラバラであるためです。例えば「利用者を100人増加できるツールを10万円で売りたい」としましょう。相手の価値観によっては喜んでくれる場合もありますが、たった100人かと相手にしてもらえないこともあるでしょう。

この価値観は交渉用語で「クライテリア」と呼ばれています。あらかじめ自分にとってのクライテリアと、相手のクライテリアに相違がないか明確にしておくことで交渉がしやすくなります。

5|条件をどこまで譲歩するか決めておく

事前に決めておくべき重要なポイントの1つに「条件をどこまで譲歩するのか」という視点があります。交渉用語では「BANTA(バンタ)」と呼ばれています。

どこまで譲ることができるのかという最低目標ラインを定めておかなければ、交渉の場でディスカウントなど、条件変更を相談されたときにフリーズしてしまいます。準備さえしていれば、判断できるはずの条件相談を一度持ち帰ることは交渉のテンポが悪くなってしまうため、あまり好ましくありません。

6|チームの団結力を高める

大規模な交渉である場合は、チーム対チームで行われるケースが多いです。この場合とても重要となることがチームの団結力です。交渉内容や相手に伝えていい情報悪い情報、落とし所については、意見を統一しておくべきでしょう。

チームワークを高めるためにも、上記の1〜5で紹介したポイントは代表ではなく、チームで話し合うようにするべきです。

有利に交渉を進めるためのテクニック

会議

交渉を有利に進めるためには、どうすればいいのでしょうか。交渉が上手な人は、交渉術向けのテクニックを駆使して交渉を上手に進めています。このテクニックを知ることで、グッと交渉が楽になるのです。

以下では、交渉を有利に進めるためのテクニックについて紹介していきます。簡単なテクニックばかりですので、ぜひ覚えて駆使するようにしましょう。

1|親近化効果と初頭効果で印象を操作する

交渉では、第一印象を良く見せることが大事です。第一印象で交渉の大半が決まると言っても過言ではありません。

良い点と悪い点がある場合、悪い点を先に述べることで良い印象を強くすることができます。これを「親近化効果」といいます。

また、伝えるべき情報が複数ある場合には、印象に残したいことを最初に伝えると印象に残りやすくなります。これを「初頭効果」といいます。

話す順番を変えるだけで印象は大きく変わるのです。複数の情報がある場合は、良い点を先に、悪い情報と良い情報の2つがある場合には悪い方を先に述べるようにしましょう。

2|相手と同じ立場で会話をする

交渉において、相手は対立すべき「敵」だと思いがちですが、決してそうではありません。相手を敵だと認定するのではなく、味方に取り込むことで交渉が大きく有利に運ぶこともあります。「相手も同じ物事に取り組む仲間だ」という立ち位置を設定することが交渉のコツです。

仲間の意識を芽生えさせるために重要なことは相手が抱える問題を再認識させ、両者で問題解決に立ち向かうことです。例えば何かの商品を売りたいというシーンで、「自分たちはこんなにすごい。だから製品を買ってくれないか?」というスタンスで交渉するよりも、「この問題を解決するための方法は○○で、自分たちの製品が効果的です」と交渉を進めた方が、相手の好印象を与えることができるでしょう。

3|二者択一から選択させる

会議

自分の企画を実現させるために、二者択一から選択させるというテクニックがあります。

実際には複数の選択肢がある場合、「AとB、どちらがいい?」と尋ねることで、A・B以外の他の選択肢を消してしまうことができるのです。これは「誤前提暗示」というテクニックです。

自分の企画が採用か不採用か、という二者択一の状態にあるときに、あえて複数の選択肢を提示することで「不採用」という選択肢をなくすというテクニックもあります。これを「選択のマインド」と言います。

4|低い条件で「自分でも対応できる」と思わせる

誰にでもできる小さなお願い事をすることで、要求を通すというテクニックがあります。

交渉用語では「イーブン・ア・ペニー・テクニック」です。たとえば、募金をお願いする際に「1円でもいいのでご協力ください」とお願いします。

このテクニックの魅力は、「自分でも協力してあげれらると関心を持ってもらえること」と「もう少し協力してあげたいと思わせられること」の2つです。

実際に1円だけ寄付する人は少なく、要求以上の額を寄付する方が大半となるでしょう。「1分ほどお時間いただけませんか?」「1つだけいただけませんか?」など日常生活内にも使用できるシーンは多数あります。

5|時間的な限定を付け加える

CMや広告など、日常生活でもよく目にする方法ですが、「今だけ」と時間を限定することは交渉を進めるうえで非常に効果的です。

相手の判断時間を制限をすることができる点や、購入する理由を与えてあげる点がこのテクニックのポイントとなります。

「いつでも買えるから買わない」という考えを「今しか買えないから買う」という決断にさらっと書き換えることができます。

6|希望よりもずっと高い条件を提示する

考える人

本来自分が希望している水準よりも、大幅に低い(高い)水準から話を切り出すという「ドア・イン・ザ・フェイス」というテクニックがあります。

たとえば、なにか物を購入するときの値引き交渉で、数千円値引きしてもらいたい場合に、数万円の値引きをまずぶつけるのです。要求が膨大すぎて当然拒否されますが、そこからじわりじわりと要求水準を下げていくことで、目標とする水準を勝ち取ることができます。始めに提示した叶えられっこない数値から、だんだん実現できる数値にしていくことで相手は安心するのです。

7|さりげなく「ヒミツ」や「ホンネ」を引き出す

相手が言いたくないことがある場合には、「一般論だけど」と話を切り出すことで、相手のヒミツやホンネを引きだすことができます。

たとえば、「一般論ですが、おたくの会社だと年収1000万円は固いですよね」と尋ねることで、「せいぜい800万円だよ」と、年収のアウトラインを掴むことができるのです。事実と違うことを言うと、ついつい本当のことを漏らしてしまうのです。

8|交渉が有利になるメソッドを駆使する

交渉を有利に進めるためには、有効な小技が複数あります。具体的には、以下のような小技があります。

・ホームで交渉を行う

リラックスした状態で話合いをするのがコツです。

・先に条件を提示する

要求よりも少し高めの条件を先に提示することで、自分の水準で戦えるようになります。

・限界値は示さない

こちらが応じられる限界の条件や、期限の限界などを示さないことで、有利に交渉を進められます。

・ウィンウィンになれる妥協点を目指す

現在の視点だけでなく、将来の発展的メリットについて伝えると、ウィンウィンで終わりやすくなります。

・長く交渉を行う

交渉が長引くほど、「この交渉を成立させたい」という気持ちが強くなります。交渉にかかった労力や手間を無駄にしたくないというサンクスコストが働くからです。

さらに交渉力を高めるコミュニケーション法

握手

以上、交渉するためのテクニックについて紹介してきましたが、さらに交渉力を高めるには特殊なコミュニケーションを実践するのが有効です。

以下、交渉力を高めるためのコミュニケーションのポイントについて解説していきます。普段は使わないようなテクニックですが、覚えて駆使することで交渉を断然有利に進めることができますよ。

信頼関係を築く「ミラーリング」と「マッチング」

交渉においては、互いの信頼関係が大切になります。信頼関係があると、スムーズに交渉ができるのです。

信頼関係を築くためには、「ミラーリング」や「マッチング」など相手に「合わせる」テクニックが有効です。ミラーリングとは、相手の行動や発言を真似することです。マッチングとは、相手の行動パターンに寄せるミラーリング・テクニックの一つです。

Win-Winな結果に導く「DESC法」

交渉においては、自分の要望を分かりやすく伝えて、ウィンウィンな結論を導き出すことが大事となります。自分の要望を分かりやすくするために有効なコミュニケーションテクニックが「DESC法」です。

これは、「描写し、表現・説明し、具体的に提案し、結論を選択する」というステップで要望を伝えるテクニックです。段階を踏んで説明することが重要なのです。

他者の意見で安心させる「バンドワゴン効果」

メモをとる

商品を購入する際など、人はその商品の人気に惹かれる傾向があります。専門用語ではバンドワゴン効果と呼ばれています。実際に使用している人が多いことから、商品の品質が良いのだと自然と連想させることができるのです。

交渉相手が決断をするために必要な「品質」という一つの判断要素をこちらから提示してあげることで、交渉をスムーズに進めることができるでしょう。

信頼性を明確に伝える「ハロー効果」

「有名大学を卒業しているので、優秀な社会人になるだとう」などその人が持つ強いイメージから関連するほかの評価も優れていると判断する効果をハロー効果と言います。交渉の場においては「専門家○○も絶賛」など自身が提示するサービスの専門性を伝えられるといいでしょう。

バンドワゴン効果と似ており、こちらも「この人が言っているのだから、品質も保証されているのだろう」と連想させます。交渉人である本人がどれだけサービスの魅力を伝えるよりも、相手が知っている人物を出すことでより信頼性を伝えることができます。

当事者意識を生み出す「カクテルパーティー効果」

人気や、専門家の意見だけでなく口コミ評判についても、例を相手に提示してあげると交渉相手に安心感を与えることできます。とくに口コミ評判を述べている人が交渉相手と同じ条件や境遇の方であれば、相手はより自分を重ねやすくなります。

このように自分が該当をしてることに関して当事者意識が芽生える効果をカクテルパーティ効果と呼びます。交渉の前に、入念に相手のリサーチを行い、似た人物の意見を用意しておくと、当日のコミュニケーションが円滑に進むでしょう。

相手の心理を読む「キャリブレーション」

交渉では、相手が何を考えているのか、心理を読むテクニックが重要となってきます。相手の心を読むためには、「キャリブレーション」と呼ばれる方法が有効です。

キャリブレーションとは、相手をしっかり観察し、非言語的なメッセージを読み取ることです。表情や仕草などを観察することで、相手の心理状態を理解することができます。

交渉術が通用し辛い「手強いタイプ」

頭を抱える

以上、さまざまな交渉術について紹介してきました。が、世の中には交渉術が通用しづらい人種も存在しています。

以下では、交渉術が通用しづらい手強いタイプの人の特徴について紹介していきます。この類の人と交渉すると、必ず難航しますので、妥協点を低くするなどの譲歩が必要となります。テクニックだけでは通用しないのです。

1|提案に従うことを嫌う人

あなたの提案がどれだけ的を射たものであっても、プライドが高い人は従順に受け入れようとはしません。とくにあなたが相手よりも年下である場合や、あきらかに小さい規模の会社である場合は、プライドが高い人が自分の方が格上だと認識し従うことを嫌います。

交渉はかなり難航するでしょう。意思決定に必要な情報と選択肢を与えることで相手に自分で考えて選択したという満足感を与えられるといいでしょう。

2|威圧で自分の要求を通そうとする人

条件を釣り上げて、威圧感を出して交渉を有利にしようとするタイプは非常に厄介です。

どんなにあなたが論理で説得しようとも、相手は高圧的な態度で対応をしてきます。

話し合っていても拉致があかない場合は、撤退をおすすめします。後日クールダウンした状態でも同じ態度をとるようであれば、交渉を取りやめた方がいいかもしれません。今回だけはと要求を飲んでしまわないようにしてください。

3|自論を信じて抜け出せない人

パッと思いついた仮説を検証することなく結論と決めつけ、相手の意見を全く聞かなくなってしまう視野の狭い人も厄介なタイプの1つです。これだと思ったらもうあなたの意見には耳を貸さないでしょう。直接間違いを指摘するのではなく、丁寧に質問をしながら相手にロジックのあまい箇所に気づかせてあげましょう。

4|意思決定が自分でできない人

どれだけあなたが判断材料を用意しても、自分ひとりでは意思決定ができず、何度も持ち帰りをしたがる人との交渉はとてもスムーズには進みません。不安な気持ちを払ってあげるためにも、他者の口コミなどのデータを重点的に用意してあげるようにしましょう。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。