神さま目線、学者持ち・・・プレゼンやスピーチで今すぐ使える「5つのテクニック」
人前で話すときは、言葉によって表現される言語的コミュニケーションだけではなく、外見や表情、ジェスチャーなどの「非言語的コミュニケーション」に気を配ることが必要です。ここでは、そのために役立つ5つの方法を紹介しましょう。
01.
存在感アップ!
ステージでは「全身」を見せる
最近は、演台のないステージに立ってプレゼンをするスタイルが増えてきました。話し手が全身をさらして立っていると、存在感を感じませんか?
話し手の全身が見えていると、聞き手には話し手が自信を持っているように見え、安心感を抱くことができます。また、話し手がステージの後ろに構えていないので、物理的・心理的な距離を縮めることができます。
その結果、聞き手は話し手に親近感を感じることができます。また、話し手が全身で動いている様子は、表現を生き生きと伝え、聞き手に躍動感を感じさせます。
演台があるステージでも、ときには演台から離れてステージ上で自分の全身をさらす。そんな勇気を持ってほしいものです。
02.
「8の字」「キメ」「神さま」
目線をうまく使いこなそう
「目は心の窓」「目は口ほどにものを言う」などというように、目線にはその人の心が表れます。ただ、「目」が発するメッセージは、普通の生活の場合と、人前で話す場合とでは少し違いがあります。スピーチやプレゼンで有効な目線の使い方は次の3つ。
8の字目線
話しながらゆっくりと顔を動かし、会場全体に8の字を書くように目線を配る。こうすると、会場全体を包み込むような雰囲気が出てくるので、常に使うと良いでしょう。
キメ目線
歌舞伎でいう「にらみ」のようなイメージで、一瞬呼吸をとめ、一箇所を数秒見つめる。強調したい言葉を発した後に使うと、聞き手にぐっと感情が突き刺さります。聞き手の中の一人を選んで、その人に向けてやってもよいでしょう。
神さま目線
ステージ中央で正面を向き、自分の目の高さよりも少し上を見ます。ビジョンや夢、希望を語るときに使うと、話し手の考えの大きさや深さが聞き手に伝わります。
03.
「手」は目線よりも
表情豊かに語ってくれる!?
「手」は使いようによって目線よりも表情豊かに語ってくれることがあります。たとえば、聞き手に向かって手のひらを開いて見せる。こうすることで、胸が開いて言葉がスムーズに出てきます。
手の動きで効果的なのは、「指し示すとき」「数えるとき」「拳を力強く握ったりして、強調を示すとき」「腕を広げて大きさを示すなど、想像をうながすとき」などです。
ただし、不必要に手を動かしてしまうと、手のひらに聞き手の注意が行ってしまいます。あくまでも、必要なときにだけ使いましょう。
04.
熱意を込めるなら
マイクは「ロック持ち」
マイクの持ち方によっても、話し手のイメージが変わってきます。たとえば、マイクの胴体部の最上部や頭部を覆うように握り締める持ち方。たいていのロック歌手がこういう持ち方をしているので「ロック持ち」と呼ばれます。まさにロッカーのように熱い人柄をイメージさせる持ち方です。
マイクを両手で大事そうに持つのが「ぶりっ子持ち」または「お願い持ち」です。どこか未熟で弱々しい印象を与えますし、話し手の緊張や不安感が伝わります。でも、懇願調のスピーチをするときには熱意が伝わるかもしれません。
「学者持ち」もあります。マイクの胴体部をまっすぐにして、その中央部辺りを片手でしっかり持つ方法です。あたかも自分の鼻の延長かというようなイメージで、自然な感じで持つといいでしょう。この「学者持ち」は上品で、話し手の自信とインテリジェンスを引き立ててくれます。
05.
水を飲むのも
パフォーマンスのひとつ
話し手のなかには、実にエレガントに水を飲む方がいらっしゃいます。スピーチの途中にゆっくりとグラスに水を注ぎ、落ち着きはらってす〜っとひと口。この間、会場に流れるしばしの空白。そして何事もなかったように静かにお話に戻るのです。
長い講演ともなると、聞き手の方も集中力が続かなくなってきます。適度に話し手が水を飲んでくれると、聞き手にとっても一種のリフレッシュタイムになるのです。ただし、水を飲む口元を片手で隠したり、舞台に立つやいなやすぐに水を飲んだりすると、水を飲む動作が目立ってしまいます。
『スピーチプレゼンはまず3秒黙りなさい』著者・森裕喜子 プロフィールOFFICE JUDY/ボイスイメージ®コンサルタント。エグゼクティブ対象のスピーチプレゼンテーションのトレーニング、コンサルティング、スタイリング、講演を行うコミュニケーション戦略/イメージ戦略の専門家。30年以上にわたる声に関する経験を生かして「ボイスイメージ®コンサルティング」を開発。人前で話すことは明らかなマーケティング活動と捉え、本質的な「話す力」が身につくサービスを提供し続けている。
『スピーチプレゼンはまず3秒黙りなさい』
コンテンツ提供元:光文社