女性が男性を匿名レビューするアプリが米国で物議。安全確保か名誉毀損かで賛否両論
米国のApp Storeで、女性が交際相手の男性を匿名で評価・情報共有するアプリが急速に利用者を増やし、議論を呼んでいるようだ。
このアプリは、一部のユーザーからデートにおける安全確保のための重要なツールと見なされる一方、プライバシー侵害や名誉毀損の温床になりかねないとの批判も受けているという。
1週間で100万人が登録したレビューアプリ
『Dazed』の記事によると、話題となっているのは『Tea Dating Advice』(通称: Tea)という女性専用アプリ。
ユーザーは交際している男性の写真を匿名で投稿し、他の利用者からその男性に関する情報、いわゆる「tea(スラングでゴシップや内部情報のこと)」を求めることができる。また、特定の名前が投稿された際に通知を受け取る機能もあるとのこと。
このアプリは米国で提供されており、App Storeのライフスタイルカテゴリで1位を獲得、直近1週間だけで約100万人の女性が登録したと報じられている。
安全ツールか、誹謗中傷の場か
『Tea』に対する評価は、ユーザーの間で大きく分かれているようだ。
App Storeのレビューには、「女性の安全、意識、エンパワーメントを最優先に設計されている」「嘘つきや詐欺師、捕食者に対する防御層を提供する」といった肯定的な意見が寄せられている。
過去に虐待的なパートナーと交際していたというユーザーからは、他の女性に警告する手段ができて良かったという声もあるという。
その一方で、否定的な見方も存在する。
「恋愛関係に進まなかった腹いせに、友人が不当に悪評を書かれ、うつ状態になった」という報告や、「嫉妬深い元恋人が悪口を投稿する場所」といったレビューも確認されているとのこと。
これに対し、Teaの運営側は「中傷的なコンテンツにはゼロ・トレランス・ポリシー(不寛容方針)で臨む」と表明しているらしい。
プライバシーと法的な課題
このアプリの仕組みは、倫理的・法的な問題をはらんでいる可能性も指摘されている。同意なく個人の情報をオンラインで共有する行為は、プライバシーの侵害にあたるかもしれない。
また、投稿内容によっては、投稿者が名誉毀損で法的な問題に直面するリスクも考えられる。アプリの将来は不透明だが、『Dazed』の記事は、このようなアプリが急速に台頭する背景には、現代の異性愛者間のデート文化が抱える問題がある、と指摘している。






