Uberの新サービス「聖歌隊デリバリー」が物議

クリスマスの夜、家族と暖炉を囲んでくつろいでいると、突然ドアの外から美しい歌声が……。そんな心温まるサプライズを演出できるサービスが登場した。この冬、アメリカで「Uber」が期間限定で聖歌隊デリバリーを開始するらしい。

Uber Eatsアプリで注文
玄関先へ“歌声”を届ける!?

このユニークなサービスは、12月7日(現地時間)からスタートしたそうで、利用者はUber Eatsアプリ上でドリンクと同時に「聖歌隊」を選択。届け先を指定するだけで、指定の場所へ歌声を届けてもらうことができるらしい。料金は60ドル+ドリンク代で、ニューヨーク、ロサンゼルス、ダラス、マイアミ、ワシントンD.C.の都市部限定で展開されるようだ。

これまでにもUberは、配車サービスにとどまらず、フードデリバリーや宅配サービスなど、多岐にわたる事業を展開してきた。今回の試みも、単なるクリスマスキャンペーンではなく、新たな収益源として「体験」そのものを商品化する、Uberの挑戦的な姿勢が見てとれる。だが……。

サプライズ演出から「嫌がらせ」まで?
新たなサービスに潜むリスク

じつは、この新手のサービスには懸念材料も。同サービスを紹介する「Gizmodo」は、「いたずら好きな隣人が、あなたの家族のクリスマスパーティーを台無しにするために、キャロル隊を送り込むかもしれない」と、ネガティブな利用の可能性を指摘する。

いくらサプライズといえど、自宅でくつろいでいる時に、突然大音量の聖歌隊に囲まれたら、たまったものではないだろう。楽しいはずのクリスマスが、近隣住民との騒音トラブルに発展してしまう可能性もたしかに否定できない。サービスの進化は、私たちの生活を便利で豊かにするいっぽうで、新たな“摩擦”を生み出す側面も持ち合わせている。

シェアリングエコノミーの進化と
倫理観のバランス

Uberの「聖歌隊デリバリー」は、サプライズと倫理観という側面において新たな疑問を投げかける。利便性の追求と倫理観のバランス、そして、変化し続ける社会との向き合い方を、改めて考えさせられる事例だ。

ユニークな同サービスが、必ずしもモラルに欠けるものとは言えないし、聖歌隊の歌声にハッピーな気持ちになる人たちもたくさんいるはず。いずれにしても送り手と受け手の意識の一致が重要だろう。心を込めた贈り物か、ウケを狙ったいたずらか。同じサプライズでも、そこが大きな分岐点となりそうだ。

Top image: ©
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。