人前でスピーチやプレゼンをするときに知っておくべき「3つの輪」って?

スピーチやプレゼンをしたときに、おもしろみがない、心に響かないという評価を受けてしまう…と、お悩みのあなた。

では、どうしたら聞き手におもしろいと思われ、心に響く話ができるようになるのでしょうか。その5つの方法を紹介します。

01.
会場の参加者に語りかけて
会話に巻き込む

Silhouettes Of Multi-Ethnic Group Of Business People Working Tog

人前でスピーチやプレゼンするときに、知っておいてほしい「3つの輪」という考え方があります。

「1の輪」:自分だけの世界に浸っている状況。独り言など。
「2の輪」:相手と二人の世界にいる状況。会話など。
「3の輪」:大勢の前で話す状況。

これを「3つの輪」と呼びます。聞き手を魅了する話し手は、多くの場合、この3つの輪をうまく行き来しています。例えばこんな具合です。

「こんにちは。今日はみなさんにお菓子についてお話しします。みなさん、ケーキはお好きですか(全体に問いかける…3の輪)?
では、後ろの青い服の方にお聞きします。ケーキは何がお好きですか? ショートケーキですね。ありがとうございます(1対1で話しかける…2の輪)。
私も大好きです。実は先ほどいただいてきました。とても美味しかったです(自分の感情を表現する…1の輪)。」

会場全体に話しかけたり、誰か一人に話しかけたり、自分のことを話したり。こういった具合に話せば、会場は自然と話に巻き込まれていきます。

02.
「内容は3つまでに絞る」
と決めてしまう

New idea

たくさんのことを伝えようとしても、聞き手は覚えきれません。また、結果的に話し手も何を伝えたいのか分からなくなる恐れがあります。ここはきっぱりと「内容は3つまでに絞る」と決めてしまいましょう。

そして、以下の型に当てはめて伝えるとわかりやすくなります。

「今日、お話しするテーマは×××です。3つのポイントをあげてみましょう。
1つめは◯◯。2つめは◯◯。3つめは◯◯。では、それぞれについて詳しくお話しをしていきます」

そして、一つひとつについての体験談や具体例をあげながら説明していくといいでしょう。

03.
話し始める前に
ゆっくりと3秒だけ黙る

S

話し始めは「最初の3秒が勝負」です。ステージに立ってすぐに話し出すのではなく、ゆっくりと3秒黙る。この時間を持つことで、話し手は聞き手の顔を見ることができるし、聞き手は一瞬、話し手に惹きつけられます。

呼吸が落ち着き、聞き手の期待やその場の雰囲気を感じられたら、ゆっくりと話し出しましょう。ただし、この「3秒の沈黙」は、話す内容や事前の準備が万全の時にだけ効力を発揮します。そうでなければ、本当の「沈黙の恐怖」を味わうことになるでしょう。

04.
共通点を伝えて
話に興味を持ってもらう

Group of successful businesspeople standing and talking.

「みなさまと私には、実はこんな共通点があります」。こんな言葉が話し手と聞き手の間に「共感」を生み出します。例えば中小企業の社長さん相手に話す時に、「実はうちの父も小さな会社を経営しておりまして……」と共通点を伝えて話し始めれば、興味を引くことができます。

また、話の途中で「実はこんな失敗をしたことがあります」と、自分のかっこ悪いところを見せてしまうことによって「そんなこともあるよね」と共感を得て、インパクトを持たせることもできます。

さらに、話の最後で「こんな未来が開けています。想像してみてください」と、聞き手がほんの少し行動すれば手が届きそうな未来を伝えれば、気持ちの良い共感を得て、明るく締めくくることができます。

05.
マーカーや改行を入れて
原稿にメリハリをつける

Business going well

どうせスピーチ原稿を作るのであれば、棒読みを避けられるように「読むための原稿」を作りましょう。

そのコツの1つ目は、話し言葉で書くこと。書き言葉で作った原稿は、読むのには適しません。

2つめは、「 」やマーカー、改行を利用して、読みながら話すのにわかりやすくしておくこと。重要な言葉すべてに「 」やマーカーをつければスピーチにメリハリがつけられます。また、どこまで話したのかを見失わないように、改行をどんどん使いましょう。

3つめは「間」を書き込んでおくこと。「間」は自分が感じるよりも2〜3倍長く取ることが効果的です。そのために、スピーチ原稿にあらかじめ「————」「……」などの記号をつけたり、行と行との間に空白をたっぷり取るといいでしょう。

『スピーチプレゼンはまず3秒黙りなさい』著者・森裕喜子 プロフィールOFFICE JUDY/ボイスイメージ®コンサルタント。エグゼクティブ対象のスピーチプレゼンテーションのトレーニング、コンサルティング、スタイリング、講演を行うコミュニケーション戦略/イメージ戦略の専門家。30年以上にわたる声に関する経験を生かして「ボイスイメージ®コンサルティング」を開発。人前で話すことは明らかなマーケティング活動と捉え、本質的な「話す力」が身につくサービスを提供し続けている。

スピーチプレゼンはまず3秒黙りなさい
コンテンツ提供元:光文社

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。