苦手な「テレアポ」を1時間に150件やってみて、気づいたこと。
昔ほどではないとはいえ「テレアポ」は新入社員(とくに営業職)の登竜門のようなもの。担当の人までつないでもらえなかったり、話の途中でガチャンと切られたり、ときには怒鳴られたり…。苦手に感じている人も多いかもしれません。
ただここで紹介したいのは「inc.com」に寄稿された、トップビジネスコンサルGordon Tredgold氏の記事。
彼は「1時間に150件の電話をしてみて、ある5つのことを学んだ」と言うのです。ビジネスシーンにおける電話の大切さ、を知る人なら思わず共感してしまうかも。
「テレアポは死んだ」と
思っていた
4月の初めに、僕は1時間に150件の電話ができるソフトウェアを試してみた。これを使うと、平均して10〜15人と会話ができる。
正直、最初はそんなもの役に立たないと思っていた。まず、個人的に電話が嫌いだし、1日3回使えばいいほうだった。
「テレアポは死んだ」っていう考え方も分かるし、実際に効率は良くない。
単純計算しても、月に3,000回もテレアポをすることになる。でも実際にやってみたら、今まで知らなかった「テレアポが持つ力」に気づいてしまったのだ。
01.
効率は悪いけど
多くの人と話せる貴重な機会
結論から言うと、テレアポは未だに有効な手段だ。もちろん、今では多くの人が時代遅れだと考えているし、昔に比べると電話に出てくれる人も少ない。
ひとりと繋がるまでに、平均して15回かけなければならないという大変さもある。それでも、よく考えてみてほしい。応じてくれる人は、1時間に10人前後もいるのだ。
02.
自分のやるべきことが
見えてくる
僕が1日3本しか電話をしていないときは、ロイヤルカスタマーを作ろうと頑張っていた。それは、新しい顧客がなかなか取りづらいという意味でもある。
認めたくはないけど、その僕の方法は最適ではなかった。1日に5倍以上のコミュニケーションを取ったら、自分が何をするべきなのか、より明確になった気がする。
03.
感情を込めて
相手と話すことができる
メールでの「NO」は受け入れるしかない。
だけど面白いことに、会話をすると相手の言い方から感情が伝わってきて、説得することもできる。
たとえば「分からない」「そうは思わない」「ちょっと…」みたいな返答は、必ずしも拒否ではない。そこで、丁寧な説明をすると意見を変えてくれることがある。
電話で話をしたおかげで、相手の感情がわかり、何を求めているのかも分かるようになった。
04.
「次の仕事の話」が
生まれた
つい先日、Amazonで売り切れてしまった僕の本を「6冊欲しい」というメールが、クライアントから来た。普段だったらメールで返していたところ、あえて電話をかけてみた。すると、相手から予想外の返事が返ってきたんだ。
「もし都合が良かったら、ディナーでもしながら次の仕事の話をしないか?」
もしかしたらみんな、電話に出ることが面倒になっているだけなのかもしれない。
05.
経営層ほど
電話で会話をしてくれる
最後にひとつ分かったことがある。経営層は、意外にテレアポに対応してくれるということだ。きっとみんな「彼らは忙しいから無視されるだけだ」と思うだろう。
でも、実際は違った。統計をとってみたら、彼らに電話をしたときのほうが、応じてくれる確率が10%も高かったのだ。それだけでなく、積極的に会話を盛り上げてくれる。
4月の終わりで、月に3,000本の電話をかけるというチャレンジは終わるけど、もうすでに僕の考えは変わっている。テレアポは、死んでいないし、効果もある。
というのも、そもそも本題にたどり着くまでが圧倒的に早いのだ。