弱肉強食の世界で生き残る「イソギンチャクの食事法」が、色んな意味でヤバかった!

突然だが、イソギンチャクについて、どんなイメージをもっているだろうか。

もしも彼らのことを、“ただ黙って海底で待機しているだけの無表情な存在”と考えているなら、それは大きな間違い。実は、彼らは驚くべき捕食行動を示し、その行動が「生命の進化」について新たな視点を与えてくれるかもしれないのだ。

先日、学術誌『PNAS』において、アイプタシアというイソギンチャクの幼生に関する研究が発表された。研究者らは初めて、捕食性の幼虫の段階から成虫の形態に至るまで、アイプタシアのライフサイクルを観察したという。

その結果、彼らは刺胞細胞を使って小さな獲物を捕らえ、原始的な腸で消化していることが明らかになったそう。

刺胞細胞とは、クラゲやサンゴなどがもつ特有の器官。外部からの刺激を受けると、この細胞から毒液をもった刺糸を放出し、危険から身を守るというものだ。

この発見は、ヒトをはじめとする多細胞生物が、神経系をどのように進化させてきたかについて明らかにするかもしれない。アイプタシアの幼生が成長過程で放出する毒素は、単細胞生物に似てるようで、彼らの捕食行動が多細胞生物の初期進化を駆動させた可能性を示しているのだ。

イソギンチャクのように刺胞細胞をもつ動物が、神経細胞を持つ動物の進化の鍵を握っており、その解明が生命科学の未来を切り開くために重要とされている。

イソギンチャクって“海の美しい生き物”感強いけど、毒で獲物を仕留めているなんて、なんだかものすごいギャップ……

その上、生命の進化を解明してくれるかもしれないって、可能性秘めまくってるじゃん!

Top image: © iStock.com/Brad Booth
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