肝臓の体外保存期間、現在の12時間から12日間に延長できるかも?【研究結果】

今まで救えなかった命を、救えるようになるかもしれない——。

国際学術誌「Nature Biotechnology」に、肝臓を体外保存できる期間を延長できたとの研究結果が掲載された。

チューリッヒ大学病院外科の研究チームは、人体を模した特殊な機械肝臓を入れて、3日間保存してから移植したらしい。すると、患者は手術してから12日後には退院でき、1年が経過した現在もなお健康とのこと。

これは、医学において大きな1歩といえるかもしれない。というのも、肝臓は本来最長で12時間しか保存できない、とされてきたからだ——。

もし今回の研究のように3日間がスタンダードになれば、ドナー自体の数が増えるうえに、損傷していて移植に適さない肝臓の修復もできるようになるかもしれないとのこと。

しかも、技術が進歩すれば保存期間を最長12日間にまで延ばせる可能性もあるんだとか——。

実際、今回の研究で提供された肝臓には病変があったが、保存期間が延びたことで検査修復ができたらしい。移植を受けた患者の肝臓は深刻な状態であったため、新たなテクノロジーが1人の命を救ったことになる。

現状では、肝臓の病気を抱える人は毎年増える一方で、ドナーは少ない。だから、今回の研究結果は医学界の革命といえるだろう——。

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