「女の友情はもろい」は本当?固定観念を壊す、これからの友情論
女性同士の友情の特徴を知っているだろうか?
彼女たちは精神的なサポートや共感を求める傾向があり、その関係性の利点は、“否定されない”ところにある。また、女性の友人関係は、男性に比べ精神的に距離が近いのも特徴。その理由は、一対一での関わりが多いからだ。
しかしこの友人関係、一筋縄ではいかない。
女性たちにとって、他の女性たちとの人間関係をうまく進めることは、地雷を踏むようなもの。なぜなら簡単に誰かを怒らせたり、気持ちを傷つけたり、一線を越えてしまうかもしれないと知っているから。
女性同士の友情とは、じつに複雑なもの。では、女性たちがどのようにその友人関係を維持し、強固なものにしていくのか?
女性を繋ぐ、“3つのS’’
「CNN」が興味深い記事を公開した。『Fighting for Our Friendships: The Science and Art of Conflict and Connection in Women’s Relationships』の著者であり教育者・フレンドシップ・コーチのDanielle Bayard Jackson氏は、女性を繋ぐのは支え(Support)、対称性(Symmetry)、そして秘密(Secret)であると説く。これらはまた、私たちの友情を壊れやすいものに感じさせる要素でもあるとも。
以下、Danielle氏の解釈をかいつまんで紹介していこう。
支え(Support)
女性が同性との友情に求めるものとして、もっとも重要なのは心の支えだそう。しかし、助けを求める行為は一方的な行為なために遠慮してしまう女性も多くいる。「私が何を必要としているのかを相手は理解しているはずだ」と求めすぎてしまうかもしれないという不安からも、この遠慮が生まれるようだ。
対称性(Symmetry)
対象性とは、しばしば平等性と互恵性を含む。どちらか一方が恵まれすぎていたり、相手よりも進んだ場所にいたりすると、不満が生じやすくなる。相手のことを理解できないと感じやすいようだ。
秘密(Secret)
必ずしも文字通りの「秘密」を意味するわけではない。ここでいう秘密とは、自己開示を指す。あなたが話すなら、私も話す。というように、お互いのことを開示していく過程に友情は芽生えていくらしい。
これら3つの概念は私たちをつなぐ鍵となる。反対に言えば、もしもこれらの中の一つでも欠けていたり、均衡が取れていないと、関係性に問題が発生するということ。
また、特に「支え」は女性同士の友人関係を維持する大切な要素のようだ。あなたが何を求めているかを共有することを不快に思わないことが重要らしい。
「衝突」を経験すること
友人関係を続けていくためにコミュニケーションを取っていく過程で、避けて通ることのできないのが衝突だろう。これを感じた際に思い出してほしいのが、今まであなたが衝突の際に取ってきた「態度」だと彼女は強調する。もしも、話す事をやめてその場を去ってしまう癖があるのなら、意見が衝突するようなときには「決して適応するべきではない」とも。
あくまでも、期待されるのはより親密な友人関係である。言いたいことをお互いに言い合えているのか?なにがあなたを不快にさせるのか?伝え合うことが重要だ。言いたいことを我慢してしまうと、そこであなたはその友人とこれ以上親密になることはできないかもしれない。
そして、衝突の際にもう一つ大切なのは、それが友人関係の維持や強化のために大切な過程であるとお互いが理解することだともDanielle氏。
友だちだからという理由で、関係性の維持が簡単であると思いこんではいけない。コミュニケーションを取ることはやはり必要不可欠ということなのだろう。
友人関係に終わりが来たら……
どんな友人関係であっても、終わりが来ることがある。
長い時間友だちとして過ごしてきて、さまざまなことを共有し合ってきているから、という理由だけでその関係性にしがみついていても、女同士の友人関係を続けることが義務のように感じているのならば、それは終わりが近づいているサインかも。
また、その友人と一緒にいるときの自分が好きになれなかったり、一緒に時間を過ごすことによって疲れ果ててしまうのならば危険なサインと認識しよう。
友人の意義
複雑過ぎる女性同士の友人関係、これを毎日経験していると思うと、なかなかにしんどく筆者は感じてしまう。けれど、こうした関係性のなかで読み取ることができるのは、女性が親しくなる相手を厳しく選別しているということではないだろうか。自分が不快な気持ちにならないか、相手は自分を支えてくれるのか。お互いがお互いを守る一つの手段として、友人は存在しているのかもしれない。