40歳からは「友だち」ではなく「仲間」を増やすべき理由

家族もいないし、周りは既婚者ばかり。休日はいつもひとりで、どうすればいいものか──。こういった悩みを抱えている中年の男性が多いと語るのは、男性学の第一人者である田中俊之さん。

ここでは彼の著書『〈40男〉はなぜ嫌われるか』から、「40男の友だち作り」をまとめてみました。まだまだ自分は中年じゃない!って人も、知っておいて損はありませんよ。

質問サイトに寄せられた
「40男」の切ない悩み

<休日の過ごし方 40代独身男性です。>

独身の方で休日はどのように過ごしていますか?

私は、何をすることもなくゴロゴロとテレビをただ眺めているだけで1日が過ぎてしまいます。とくに趣味もなく彼女もいなければ出かける友だちもいません。外に出なければ彼女も友だちも出来ませんね(年齢的に彼女は厳しいですかね 泣)。いつも夕方には虚しい思いでいます。

何かおすすめの休日の過ごし方など教えていただけませんか?出来れば一人は寂しいので40代の私でも色々な人と出会える(彼女ができたらうれしいです)もの・場所などありましたらよろしくお願いします。

<ベストアンサー>

40代未婚男性です。私は30代に同じ様なことを思っておりました。そして、運動不足の解消も兼ねて、スポーツジムに通い始めましたが、そのジムに併設のテニススクールがあり、通い始め、そこでたくさんの仲間ができ、サークルにも誘って頂き、休日はテニスのサークルや試合にも出る様になりました。テニス以外にも、フットサルやソフトバレー、などのサークルも良いかと思います。

思い出が仲を取り持ってくれた同級生とは違って、40代ともなれば新しい友だちを作るためにはきっかけが必要。まさか街中で「友だちになろう」といきなり言うわけにもいかない。それでは明らかに不審者だ。

その点、一定の頻度で顔を合わせるジムやスポーツサークルは、徐々に距離を縮められる。もちろん、運動が苦手であれば、音楽のライブや書店で開催されるトークイベントなど、自分の興味と適性に合ったものを選べばいい。

40男に立ちはだかる
友だち作り「2つのハードル」

しかし、これにはハードルが2つある。ひとつは、億劫で新しいことが始められないという問題だ。長時間労働で疲れ果てているのであればなおさらだろう。しかし、仕事だけの生活になっている現状を立て直す意味でも、新しい活動をしてみる価値はある。ぜひ重い腰を上げてみてほしい。

もうひとつは、せっかくジムに通ったりサークルに入ったりしても馴染めないという問題である。これについては、当然のこととして想定しておかなければならない。たまたま最初に始めた活動で居場所ができるほうが稀であり、試行錯誤しながら自分が快適に過ごせる空間を見つける必要がある。定年退職の調査をした際にも、いろいろな活動に顔を出したものの「なかなか居場所が見つからなかった」という男性がいた。

しかし、子ども時代だって友だちになるのは決して簡単ではなく、手間がかかるものだった。同じだけの時間と労力を割くわけにはいかないとしても、一度ダメだったぐらいで諦めていては、元通りの生活に戻るだけである。

その時々で楽しく過ごせる
「気楽な関係」を築こう

この間、僕が担当した市民講座のメンバーが飲み会を実施した。誘われたので自宅から遠かったけれど、顔を出すことにした。飲み会に参加してみて、いい意味で若者との違いを感じた。中年になると、多少の年齢差があってもそれなりに親しくなれる。年を取るのは悪いことばかりではない。

学生にとっての友だちは、生活の一部のようなものだ。授業、部活それに登下校まで共にしていた友だちがいた人も少なくないだろう。40男はそれまでの時間も労力も友だちに割くことはできない。サークルであれ飲み会であれ、メンバーの都合のいい日に集まって、ほどなく解散する。40男にはこれぐらいの関係が合っている。

その意味では、若い頃と同じ「友だち」という言葉を使っているのが間違っているのかもしれない。40男の人間関係を表現するのには、おそらく「仲間」ぐらいのほうが適切である。大親友や心の友を見つけようと言っているのではない。作るのは仲間だから、もう少し気楽な気持ちで大丈夫だ。自分から話しかける勇気を持って、その時々で楽しく過ごせる仲間を探してみよう。

『〈40男〉はなぜ嫌われるか』(著:田中俊之)

「アラフォー」などという生易しい呼び方はやめようーー。この本では30代後半から40代前半までの男性を「40男」と呼び、彼らのリアリティと現実のギャップを痛快に解説!「昭和的男らしさ」と「平成的男らしさ」の狭間を生き、「若いですね」と言われたい中年男たちの正体とは?

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。