汚部屋出身ミニマリストが、モノを捨ててわかった「6つのこと」

ぼくの部屋はモノで溢れていた。床を埋め尽くす本、フィルムを通したこともないカメラのコレクション、クローゼットに収まらない服。でも、ある時ぼくはモノが少ない幸せがあることに気づいた。そしてたくさんのモノを捨てた。捨てまくった。そうしたことで人生は大きく変わった。

自著『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』からその理由を紹介する。ぼくたちに、もうたくさんのモノは必要ないのだ。

01.
自分のことが好きになれる

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モノが少なくすることで、家事、あらゆる生活は簡単になり、楽になる。簡単で楽なわりに、こなせば自分に自身が湧いてくる。

早起きし、出社する前にゆっくり朝食をとり掃除も洗濯もきちんと済ませてから出かけるのと、ギリギリまで寝ているのでは、出社後の仕事のやる気もまるで違う。きちんとした生活を送るだけで、自分に自信が持て、自分のことが好きになれる。

02.
何者かになる必要はないと気づく

特に若い世代は「個性的でありなさい」「何かを成し遂げなさい」というメッセージを日々受け取っていると思う。何者かになりたまえ!という強迫観念だ。ぼくもそんな風にずっと思っていたし、何者にもなれないことにいら立ってもいた。

モノを捨ててぼくが思うのは、何かを成し遂げたり、何者かになる必要はないということだ。モノを減らしたぼくは、普通の生活をするだけでもかなりの充実感がある。ただ生きているだけで、楽しくなってしまった。

03.
誰かと比べなくなる

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自分を誰かと比べることは、モノの追求と同じで終わりがない。自分より優れた人はいつだっている。自分に必要なモノがわかるミニマリストになれば、比べる「誰か」ではなく「自分」にフォーカスが移っていく。ぼくが今持っているモノは誰かと比べて「欲しい」と思ったものではなく、自分にとって「必要」だと思い、自分が選んだモノばかりだ。ぼくはぼくに必要なモノすべてを持っている。だから自分を誰かと比べる必要も、もうなくなったのだ。

04.
人からどう見られているか
気にしなくなる

ぼくは人からの目線をとても気にしていた。部屋に積み上げられた本がそれを表していた。ぼくは本を積み上げることで、「自分の価値」を伝えたかったのだ。それらを手放すことで、人の目線が気にならなくなっていった。モノを手放したおかげで、無駄な自意識や、贅肉のように行動を邪魔するムダなプライドも手放すことができたのだ。

もう何をしたって恥ずかしくない。これからは、自分がしたいと思うことをするだけだ。

05.
本当に必要なことに
集中できるようになる

Designer on the phone

モノを減らすと、集中力まで高まる。これはなぜだろうか?

モノは「手入れしてほしい」「洗濯して欲しい」といった「沈黙のメッセージ」を発している。モノを減らすと、それが減り、自分が本当にしたいことにいつでも手をつけられるようになる。本当に大事なものに集中できるようになるのだ。

06.
「今」のことしか
考えられなくなる

「いつか」使うかもしれないモノをたくさん捨てた。ぼくは「未来」を捨てまくった。すると、なぜだか未来のことが考えられなくなった。以前ぼくは将来の不安のことばかり考えていた。まだ35歳なのに老後の孤独死のことまで心配していたのだ。

モノを捨てるたびに、何度も「今」必要かどうかと問いかけてきた。そうしてぼくは「今」のことしか考えられなくなった。本当は、人はただ「今」を味わえばいいだけなのだ。

ぼくたちにもうモノは必要ない。
コンテンツ提供元:ワニブックス

佐々木典士/Fumio Sasaki

ワニブックスに勤務。すべてを保存し、何も捨てられない汚部屋出身。2010年ごろから身の周りのモノを手放し始める。2014年クリエイティブディレクターの沼畑直樹とともに、ミニマリズムについて記すサイト「ミニマル&イズムless is future」を開設。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。