世界No.2のセールスウーマン直伝!心を動かすビジネスメール「3つの秘訣」
和田裕美/Hiromi Wada作家・営業コンサルタント。外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、絶大な営業手腕によって日本でトップ、世界142ヵ国中2位の成績を収めた女性営業のカリスマにして先駆者。短期間に昇進を重ね、女性では最年少の代理店女支社長となる。その後、当該企業の日本撤廃にともない独立。執筆活動のほか、営業・コミュニケーション・モチベーションアップのための公演、セミナーを国内外で展開している。
メールというのは定型文通りだと、なんだか味気ない印象を受けます。相手のことを思いやるなら、情報と感情のバランスが大切。ここでは、感情を込めた文章を書くコツをお教えします。
01.
情報(I)と感情(E)の
バランスを考えると
人間関係まで良好に
ここで言う「IE」とは何か?私が勝手に言葉を作ったわけですが、情報=Informationと感情=EmotionでIEです。要は、「文章は情報だけだと味気ない。感情だけでは何が言いたいのかわからない。ならば、文章の中に両方入れちゃいましょう!」ということです。
人によって情報(I)と感情(E)のバランスが全然違いますから、まずは自分の文章を確認してみる。その上で、バランスに気を配ってみましょう。ごくごく簡単な例を挙げてみます。
⇨「IEバランス」を考えていないメール
次回の打ち合わせは◯月◯日◯時から、場所は◯◯になります。それではよろしくお願いします。
特に間違いや失礼があるわけでもなく、必要な情報(I)もきちんと伝えている文章です。でも、これで心を動かされることはないですよね。「性格がよくなる文章の書き方」的には、「書いた自分と受け取った相手の人間関係がさらによくなる」「お互いが心地よくなる」メールこそが合格点なのです。
私だったら、次のような書き方をします。
⇨「IEバランス」を考えたメール
次回打ち合わせは◯月◯日◯時から、場所は◯◯になります(個人的に今回のプランはいまからすでにわくわくしております)。どうかよろしくお願いいたします。
どうでしょうか?情報(I)だけの文章ではなく、感情(E)を入れ込む。それだけで、文章から受ける印象はずいぶん変わるのです。
02.
そっけない返事は
相手に疑いや不安を与えてしまう
私の知り合いが友人をお芝居に誘ったときのこと。上演日を2つ候補として挙げてメールしたところ、こんな返事が来たそうです。
⇨例文①
残念ながら、両日とも予定が入っていますね。
彼女は私に言いました。「私、この人に嫌われているのかなあ?」と。この文章はけっして間違ってはいません。ただ、こんなそっけない返事をもらったら、寂しい気持ちになります。
私だったらこう返信します。
⇨例文①を書き換えると
お誘いありがとうございます!けれど、どちらもすでに予定が入っておりました。とても、とても、残念です。厚かましいですが、もし次回に機会があれば、もう一度チャンスをください!それから、お芝居は残念でしたが、最近おいしいお店を見つけました。また、別の日にお食事でも私からお誘いしたいと思います。近いうちにお会いできたら嬉しいです。
このように、「都合が悪い」という情報(I)に加え、「でも、あなたには会いたいのです」という意思表示、つまりは感情(E)を入れるのです。それだけで、相手がヘンな疑いを抱いて不安になったり不幸になったりしないのです。
03.
「ありがとう」を繰り返すだけでは
相手の心に響かない
「感情(E)の部分を増やしましょう」と言うと、普通思いつくのは「ありがとうございます」という言葉ですよね。とはいえ、繰り返し使うと、逆に、押しつけがましい印象にも。
そんなとき私が使う感情(E)には、次のようなものがあります。
⇨イベント前の連絡
イベント当日は◯時◯分に集合です。みなさんとお会いすると、すごくやる気が出て元気になれるので、個人的にもとても楽しみにしています。
⇨イベント終了時の謝意
参加お疲れ様でした。みなさんとご一緒させていただき、最高の時間を過ごせました。本当に感動でした!
⇨イベント終了後の挨拶
今回のイベントで、何よりもみなさんとつながれたことが私にとっては一番の収穫でした。感謝でいっぱいです。
「ありがとう」という言葉を1回も使わずに、文章を書きました。私には、「ありがとう」のような通り一遍の言葉を使うよりは、「個人的には〜でした」とか「私にとって〜です」といった書き方、つまり「自分自身の心が動いた」ことを率直に言葉にしたほうが、文章に「私」の魂を入れる作業のように思えるのです。
『和田裕美の性格がよくなるメールの書き方』
コンテンツ提供元:光文社