相手をカチンとさせるビジネスメール「6つの特徴」
和田裕美/Hiromi Wada外資系教育会社でのフルコミッション営業時代、絶大な営業手腕によって日本でトップ、世界142ヵ国中2位の成績を収めた女性営業のカリスマにして先駆者。短期間に昇進を重ね、女性では最年少の代理店女支社長となる。その後、当該企業の日本撤廃にともない独立。執筆活動のほか、営業・コミュニケーション・モチベーションアップのための公演、セミナーを国内外で展開している。
人から受け取ったメールの内容や言葉のニュアンスにイラッときた経験はないでしょうか? もしかすると、自分も相手を不快にさせるメールを送っている可能性だってあります。ここでは、残念なメールの典型例を6つご紹介します。
01.
「この日に決定します」
「これでお願いします」
一方的で強引
典型的なのは「お返事のないようなら、この日で決定します」「この日程で決定しました。これでお願いします」のような、一方的な文章です。前後のやりとりによっては、これが正しいこともあるでしょう。けれど、これでは人の気持ちが素直に動きません。
一度、不快な思いをした人は、実際スケジュールが空いていても「その日はダメです」と言いたくなるはずです。
02.
内容が曖昧で
自分に都合いいように書く
「とにかく、◯◯について話を聞いてもらえないでしょうか?私は水曜日の1時だったら空いているのですが、いかがですか?」といったパターン。どんな話かもわからない、とにかくなにかの「お願い事」という気配だけはある。さらに、自分の都合のいい時間の提示まで…。
それまでの人間関係が構築できていれば大丈夫かもしれません。しかし、そうでない場合は、受け取った人が億劫になってしまい、会いたいという気持ちすら起こらないでしょう。
03.
「しんどい」「辛い」「自信がない」
と、泣き言ばかり
ネガティブ表現が多いのも、残念なメールの典型です。
「しんどいです」「辛いです」「もう自信ないです」という言葉が並ぶと、読んでいるほうは心配するし、励まそうとしますが、やっぱり、読んでいるうちにげんなりします。元気で楽しい気持ちにはなれません。
「◯◯さんも大変ですよね。最近ついてないですね」「これからが地獄のような忙しさですね」「こういうふうになったらとても困りますよね」なども一見、相手を心配しているようでいて、ジワジワと内側から痛めつけるような文章です。
04.
素直にミスを認めず
自分を正当化する
何かの原因で相手を怒らせた場合や自分のミスで迷惑をかけてしまった場合、誰でも謝罪します。けれどそこに、自己正当化をした「言い訳」をつけてしまう人がいるのです。
「◯◯についてはすみませんでした。しかし、この件は先に私のほうからお願いしていたので、この認識で正しいと思っておりました」というように。
さらに火に油を注ぐのは、自分が正しいという主張を入れることです。「(上記の続き)その証拠として、◯月◯日のメールにて確かにこちらから申し上げています。再送いたします」。ここまでくれば、謝る気などない感じがして、絶対に相手はもっと怒ります。これはプライドの高い人に多いメールです。
05.
突き放したかのように
そっけない
「うちの部署では関係ないので、そちらで進めてください」。
これは事実なのでしょう。でも、こういう文章を書く人が好かれた試しがありません。どう転んでも、これを書いた人はすごくいじわるに思えるからです。
「うちの部署は担当ではないので今回は関わっておりませんが、今後、こちらでなにかお手伝いできることがありましたら声をかけてください」と書くほうが、なんだかいい人に思えるのです。
06.
「いかがなものでしょうか」
と、上から目線
私が以前、ある出版社の編集者と契約書のやり取りをしたときのこと。間違った場所に印鑑を押してしまった私に「印鑑を押し直してください」とは書かずに「このような判の押し方はいかがなものでしょうか」と書かれたメールが届いたのです。
これには出版エージェントの人がびっくりして、「この言い方ってむちゃ上目線でちょっとどうかと思いますよね」と、苦笑い。きっと、このメールを書いた方は、間抜けなミスにイライラしたのだと思います。
ことの発端は私なのですが、「いかがなものでしょうか」という短い言葉には相手をバカにした感じが思い切りでてしまって、その人の感情やもともとの人柄が見えてしまうので注意したいものです。
『和田裕美の性格がよくなるメールの書き方』
コンテンツ提供元:光文社